研究課題/領域番号 |
15720066
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
ヨーロッパ語系文学
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
草野 慶子 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (10267437)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2005年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2004年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2003年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
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キーワード | ロシア東欧文学 / 身体性 / 比較文化 / 美術史 / 芸術諸学 / 舞踊 / 美学 |
研究概要 |
本年度は、ロシア象徴主義最大の思想家・詩人の一人であるヴャチェスラフ・イワーノフ(1866-1949)に関する研究に主として取り組んだ。イワーノフは、ロシア文学・思想史上のその存在の大きさにもかかわらず、日本においてこれを専門とする研究者は皆無に近く、また近年のロシアにおけるイワーノフ研究の興隆という事情を考慮しても、本研究は小さからぬ意義をもっていると自負する。 具体的には、イワーノフの思想と芸術における身体性という大きな問題意識のもとに、以下4つの項目を立てて、それぞれの基礎的研究に取り組んだ。すなわち、1)認識と知覚2)神秘思想3)芸術観(舞踊観を含む)4)性愛の概念である。このうち1)認識と知覚については、イワーノフの共感覚の理念の分析を中心に据え、2)3)の項目ともかかわるかたちで考察した成果を、雑誌論文のかたちで発表している。 過去2年間の研究は、19-20世紀転換期ロシアの身体と性をめぐる文化のダイナミズムを、第一に舞踊(バレエ・リュスやロシアにおける西欧舞踊の受容)と思想の連関という視点から、第二に、19世紀以来のロシア文学におけるセクシュアリティとジェンダーの考察を通して、解明しようという試みであった。本年度の中心となったヴャチェスラフ・イワーノフ研究は、これらの成果のひとつの焦点となりうるものとして選択されたものである。今後も研究の深化に努め、近い将来には、包括的規模をもったイワーノフ研究として、ひとつの著作にまとめるという、強い意志をもっている。 なお、バレエ・リュス研究に関連して、また、その生涯の多くをイタリアで過ごし、研究と教育活動を行ったイワーノフ研究に関連して、本年度はパリとローマにおける調査を行った。
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