研究課題/領域番号 |
15720075
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
各国文学・文学論
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
大池 真知子 広島大学, 総合科学部, 助教授 (90313395)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2005年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2004年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2003年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | アフリカ / HIV / エイズ / 演劇 / 映画 / 文学 / ガーナ / セクシュアリティ / 大衆芸能 / 開発 / ドラマ |
研究概要 |
本年度の研究過程で明らかになったのは、HIV/エイズにかんする芸術活動として、演劇だけでなく文学の試みがあることである。HIV/エイズをテーマにした小説を公募して短編集を出版したり、教育現場でのライフスキルの授業に小説を使用したりするのが一例である。 本年度はそのような作品や、教育関係の資料をあらたに多く収集した。そのため、交付申請時には大衆芸能の理解を深めるために2回目の現地調査を予定していたが、経費の都合上断念せざるを得なかった。 しかし前年度に行った1回の現地調査をもとに、比較文化研究会で口頭発表を行い、演劇活動と社会運動の接続の可能性についての知見を深めた。その結果は来年度の『比較文化研究』に論文として発表する予定である。 また、南部アフリカのHIV/エイズをテーマとした映画プロジェクトの作品をとりあげ、『人間文化研究』に論文を発表した。この論文は、アートは暗示的な方法でメッセージを示唆するものであるのに、そのようなアートを明示的な目的を持った社会運動に利用するには限界があると指摘すると同時に、アートの複雑さは社会問題の困難さを示すには適するという可能性も指摘している。 総じて本研究の最終年度の段階で明らかになったのは、若者の「エイズ疲れ」(HIV/エイズの話題を聞き飽きて、かえって無力感が募っている状態)が指摘されるなか、演劇なり文学なりというアプローチが新鮮であり、かつ人物に「共感」することで問題を自分のこととしてとらえられるというメリットがあることである。今後さらに、アフリカの文化伝統、社会事情を考慮に入れ、アフリカに特化した運動の方法などを探っていく必要があると予想される。
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