研究課題/領域番号 |
15720092
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
言語学
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
佐野 直子 名古屋市立大学, 大学院人間文化研究科, 助教授 (30326160)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2005年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2004年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2003年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | <一つの言語> / ヨーロッパ多言語主義政策 / 少数言語のリテラシー / 言語の「保存主義」 / 言語の「保護主義」 / 言語の混成化 / 書記法の分裂 / 言語の名称 / 多言語状態 |
研究概要 |
・主に2003年度に行ったプロヴァンスでの調査をもとに、ヨーロッパの多言語主義政策の具体化に伴うプロヴァンス地方における「一つの言語」の認識の先鋭化や対立、それにともなう書記法分裂問題についての論文を執筆し、『ことばと社会 9号 特集バイリテラシー』にて発表した。 ・主に2004年度に行ったイタリア・ピエモンテ地方のインタビュー調査をもとに、イタリアの「オクシタン語」の現在の話者意識について、2005年9月にボルドーで開催された第8回国際オクシタン語研究学会にて発表した。イタリア語・フランス語・ピエモンテ語・「オクシタン語」という、互いに類縁性の強い言語が使い分けられる多言語地域にあって、「オクシタン語」を書こうとする言語政策が展開されている。しかし、現在イタリアのオクシタン語地域では、何を、どのように書くのか、「書き方」をどのように学ぶのかという点において、「方言の多様性こそを書き留める」という主張と「言語を標準化し、できる限り公的に使用する」という主張が対立している。その結果、書き言葉としては「オクシタン語」内部の書記法の分裂や方言の分裂、話しことばとしてはさまざまな言語や方言の混成化が進んでおり、<一つの言語>意識の定着と同時に、その意識が分裂・溶解していくことを分析した。その発表をもとに論文を当学会に投稿した。 ・2005年8月に南イタリアのオクシタン語地域であるガルディア・ピエモンテにて講演会に参加した。また、8月から9月にかけて、2004年の調査をもとにした冊子の刊行のための打ち合わせを行い、Chambra d'Ocにオクシタン語のインタビュー原稿のチェックとイタリア語訳を依頼した。冊子の刊行は2006年度の予定。 ・2006年2月に、第33回多言語社会研究会(東京例会)にて、「イタリアにおけるオクシタン語地域の言語活動の展開と言語意識」について発表した。特に、1960年代に始まり、1999年の「言語的少数派保護法」以降のイタリアにおける言語政策の変遷について発表を行った。
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