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英語史における動詞第二位現象の消失に関する実証的・理論的研究

研究課題

研究課題/領域番号 15720111
研究種目

若手研究(B)

配分区分補助金
研究分野 英語学
研究機関島根大学

研究代表者

縄田 裕幸  島根大学, 教育学部, 助教授 (00325036)

研究期間 (年度) 2003 – 2004
研究課題ステータス 完了 (2004年度)
配分額 *注記
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2004年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2003年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
キーワード豊かな一致の仮説 / 動詞移動 / 言語変化 / 機能範疇 / 中英語 / 音韻部門 / インターフェイス / 動詞第二位現象 / 英語史 / 動詞屈折 / 極小モデル / 分散形態論
研究概要

生成文法理論において,顕在的動詞移動の可能性が動詞の屈折接辞の豊富さに依存するという「豊かな一致の仮説」が注目を集めている。動詞が屈折辞に繰り上がる移動,すなわちV-to-I移動に関しては通言語的観点から様々な調査が行われ,この仮説の妥当性がかなりの程度明らかになってきていたが,ゲルマン系の言語で観察される動詞第二位(V2)現象が「豊かな一致の仮説」で扱えるかどうかに関しては未だ明確な結論が出ていなかった。そこで本研究では,歴史上V2現象の消失を経験した英語において,それが動詞屈折接辞の衰退からどのような影響を受けていたのかを調査し,「豊かな一致の仮説」をV2現象へ応用する可能性を探った。本研究の結果,これまで「V2移動」として一括りにされていた現象が,実は異なる原因によって引き起こされる複数の統語操作へと分解されることが明らかになった。具体的な成果として,以下の3点の解明が挙げられる。1.いわゆる「V2移動」には,機能範疇Cを標的とするものと,それよりも下位の機能範疇Agrを標的とするものがある。これにより,中英語におけるV2の方言差ならびに通言語的差異が説明される。2.C位置への動詞移動は統語部門で生じ,Agrへの移動は音韻部門で生じる。このことは,Cへの移動とは異なって,Agrへの移動が随意的であり,なおかつ動詞屈折の豊かさによって影響を受けていることから裏付けられる。3.「豊かな一致の仮説」の一般化は,屈折接辞の音声化に課せされる早期原理によって導かれる。これは,接辞の音声化に必要な情報が句構造に揃った段階で,ただちに音韻素性を付与することを要求するものである。これらの成果は,統語部門と音韻部門のインターフェイスに関するさらなる研究へとつながっていくことが期待される。

報告書

(2件)
  • 2004 実績報告書
  • 2003 実績報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて 2004 2003 その他

すべて 雑誌論文 (3件) 文献書誌 (1件)

  • [雑誌論文] 豊かな一致の仮説再考:屈折接辞の音声化の視点から2004

    • 著者名/発表者名
      縄田裕幸
    • 雑誌名

      日本英語学会第21回大会研究発表論文集 21

      ページ: 140-149

    • 関連する報告書
      2004 実績報告書
  • [雑誌論文] Grammatical Change at PF : For To Infinitives in English and Distributed Morphology2004

    • 著者名/発表者名
      NAWATA, Hiroyuki
    • 雑誌名

      English Linguistics 21・1

      ページ: 85-117

    • 関連する報告書
      2004 実績報告書
  • [雑誌論文] On the Dialect Variation of Verb Second in Middle English2003

    • 著者名/発表者名
      NAWATA, Hiroyuki
    • 雑誌名

      Studies in Modern English (単行本)

      ページ: 223-236

    • 関連する報告書
      2004 実績報告書
  • [文献書誌] 縄田裕幸: "豊な一致の仮説再考:屈折接辞の音声化の視点から"日本英語学会第21回大会研究発表論文集. 21(未定). (2004)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書

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公開日: 2003-04-01   更新日: 2016-04-21  

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