研究課題/領域番号 |
15720115
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
英語学
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研究機関 | 中部大学 |
研究代表者 |
柳 朋宏 中部大学, 国際関係学部, 講師 (70340205)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2004年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2003年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | to不定詞 / 与格名詞 / be to不定詞構文 / wh不定詞 / 言語変化 / 通時コーパス / 生成文法 / OV / VO語順 / 古英語 / コーパス |
研究概要 |
古英語の「義務・必然」を表わすbe to不定詞構文には、次にあげる2つの特徴がある:(1)to不定詞の表わす出来事の行為者が与格名詞として生じることがある;(2)to不定詞の主題項が主語の場合、受動意味を表す能動不定詞が用いられる。本研究では、(1)に関して、当該の構文に生じる与格名詞の主語特性ついて、古英語のコーパスDOE Corpusから収集したデータを中心に分析を行い、当該の与格名詞はStoffelやFischer, Keenanらが提案する主語特性の基準に一致することを示した。(2)については、be to不定詞構文で用いられていた能動不定詞は、中英語に入ると徐々に受動不定詞へと移行する。このことに関連して、中英語のコーパスPPCME2から収集したbe to不定詞構文のうち、特にwh句を含む用例を中心に分析を行い、当該の構文に生起するwh句はto不定詞の目的語位置からwh移動により文頭に移動していることを示した。また、wh句を含むbe to不定詞構文が等位接続されている場合、第二等位項中のbe動詞が削除されることを指摘し、wh句を含むbe to不定詞構文からwh不定詞が発達した可能性を示唆した。古英語においても等位接続されたbe to不定詞構文での第二等位項中のbe動詞の削除は観察されており、古英語から中英語におけるto不定詞節の統語構造を論じる上で大変興味深い言語事実である。さらに、現代英語でも受動不定詞が用いられているが、対応するフランス語の構文(etre a不定詞構文)では古英語と同じように能動不定詞が用いられていることに着目し、英語-フランス語のパラレルコーパスを利用し、両言語の構文について調査した。フランス語におけるetre a不定詞構文は、英語のbe to不定詞構文に比べ、使用頻度が低いことを示し、この違いは両言語の一般的な性質に還元できると主張した。
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