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グレートブリテン・アイルランド連合王国初期における連合主義の分析

研究課題

研究課題/領域番号 15720171
研究種目

若手研究(B)

配分区分補助金
研究分野 西洋史
研究機関岐阜大学

研究代表者

勝田 俊輔  岐阜大学, 教育学部, 助教授 (00313180)

研究期間 (年度) 2003 – 2005
研究課題ステータス 完了 (2005年度)
配分額 *注記
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2005年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2003年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
キーワード西洋史 / アイルランド / イギリス / 政治
研究概要

昨年度までの研究によって、以下の知見を得た。連合王国では、発足直後の四半世紀間、アイルランド人口の大多数を占めるカトリック信徒に対する法的差別が存在した。このため連合王国は、真に統合された単一国家とはなり得なかった。だが、この差別の問題は、グレートブリテンにおいて国制上の危機をもたらしかねなかったため、解決の目処が立たなかった。このため、カトリックに対して、連合王国政府は、カトリック問題は棚上げにしたまま、一部のプロテスタントが行っていた反カトリック儀礼を禁ずることを通じて、歩み寄る姿勢を見せた。
本年度は、夏期にアイルランド共和国に滞在し、史料および文献調査を行った。対象とした主な史料は、(1)ダブリン市庁関連文書であり、これはアイルランド国立図書館、ダブリン市立図書館、およびアイルランド国教会図書館などに分散保管されている。(2)また、オレンジ団関連の文書をベルファストのオレンジ団本部で閲覧した。
本年度は、強固な反カトリック主義の秘密結社であるオレンジ団に対する政府の姿勢を検討した。オレンジ団は、団員に顕官を含み、また1798年の反乱の際には体制の先兵となるなど、政府からすれば軽視できない勢力であった。しかし、1823年にオレンジ団は政府によって弾圧される。すなわち、カトリック問題で手詰まり状態にあった連合王国政府は、国家と親和的な関係にあったオレンジ団を弾圧してまで、カトリック寄りの姿勢を見せたのである。
なお、オレンジ団弾圧にいたる過程の分析で、以下の知見を得た。弾圧の理由は、カトリック宥和に加えて、オレンジ団員が、政府・議会の命令に服従を拒否したことである。オレンジ団は、秘密結社として団員に守秘の誓いを立てさせ、また団の命令への服従も誓わせていたのである。当時アイルランドには、秘密結社そのものを弾圧する法はなかった。このため、1823年には新法を議会で定めることとなるが、この際には「法によって必要と定められていない全ての宣誓」が禁じられており、このためフリーメーソンも活動を停止する。グレートブリテンには、すでに同種の法が存在していたが、そこではフリーメーソンは適用を除外されていた。
なお、以上の成果は、アイルランドの学術雑誌の投稿してある。

報告書

(3件)
  • 2005 実績報告書
  • 2004 実績報告書
  • 2003 実績報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて 2004 その他

すべて 雑誌論文 (2件) 文献書誌 (3件)

  • [雑誌論文] 西ヨーロッパの近代史2004

    • 著者名/発表者名
      勝田俊輔
    • 雑誌名

      世界史の研究(歴史と地理) 579

      ページ: 41-44

    • 関連する報告書
      2004 実績報告書
  • [雑誌論文] 1820年代のダブリンにおける宗派間の融和と対立2004

    • 著者名/発表者名
      勝田俊輔
    • 雑誌名

      ヨーロッパにおける宗教的寛容と不寛容の生成・展開に関する比較史的研究 平成13-15年度科学研究費補助金研究成果報告書

      ページ: 77-97

    • 関連する報告書
      2004 実績報告書
  • [文献書誌] 勝田俊輔: "「王国」と「植民地」-近世イギリス帝国のなかのアイルランド-』"歴史学研究(書評 山本正). 776. 67-70 (2003)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] KATSUTA Shunsuke: "German Palatine immigration of 1709 : An aspect of transition from Ireland of immigration to Ireland of parliament"Proceedings of the Fourth Anglo-Japanese Conference of Historians. 67-78 (2003)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] KATSUTA Shunsuke: "The Rockite movement in County Cork in the early 1820s"Irish Historical Studies. 131. 276-294 (2004)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書

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公開日: 2003-04-01   更新日: 2016-04-21  

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