研究課題/領域番号 |
15720172
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
西洋史
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研究機関 | 大阪外国語大学 |
研究代表者 |
古谷 大輔 大阪外国語大学, 外国語学部, 助教授 (30335400)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2005年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2004年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2003年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | スウェーデン / 北ヨーロッパ / バルト海 / 近世 / 国家形成 / 地域統合 / 軍事革命 / 複合国家 / 近世史 / スウェーデン史 / 北欧史 / 戦争 / 国家統合 |
研究概要 |
バルト海世界の実態に即した近世スウェーデンの戦争経営と国家形成の分析を目的とした本課題の今年度における研究成果は、以下の3点に集約される。第一に、近世スウェーデンにおける軍事体制の革新と国家経営の集約を論じた軍事革命論の可能性と限界を検討し、軍事情報をめぐるネットワークを検証することから、バルト海世界に広がる人的ネットワークを背景に成立したスウェーデン軍事国家の具体像を論じた。この成果は平成18年中にミネルバ書房より刊行される『近代ヨーロッパの探求 軍隊』において公開される。第二に、近世スウェーデン軍事国家の帰属意識を表象する概念として、17世紀のスコーネ総督府におけるスウェーデン化政策と18世紀スウェーデンにおける政治経済学のテキスト分析を通じナショーン(nation)概念を検討し、特定の地縁的・社会的集団を示していたナショーン概念が、王国議会における政策論争の過程でスウェーデン全土の領域的範疇をもつ概念へと拡張する過程を明らかにした。この成果は平成19年に山川出版社より公刊される予定の『ヨーロッパの政治社会』の所収論文として公にされる。第三に、バルト海世界に広がる複合的な国家・社会編成を有した近世スウェーデンの統合軸について、昨年度の研究成果である祖国概念の検討を発展させつつ、スウェーデンによるバルト海支配の正統性の理念を準備したゴート主義についても検討した。この成果は平成18年5月14日に千葉大学にて開催が予定されている日本西洋史学会のシンポジウムにて『バルト海帝国とスウェーデン・アイデンティティ』という論題で報告される。今年度は本研究課題の最終年度にあたるが、この研究課題のなかで明らかにされたバルト海世界に跨る複合的な国家・社会編成を有したスウェーデン軍事国家の実態と、複合的編成を統合するバルト海帝国の理念的基盤については、平成19年に山川出版社から公刊予定の単著『バルト海帝国』において総括的な議論を公開する。
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