研究課題/領域番号 |
15720176
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
西洋史
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
中野 耕太郎 大阪市大, 文学研究科, 助教授 (00264789)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2005年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2003年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | アメリカ史 / 移民 / 第一次世界大戦 / アメリカ化 / ホワイトネス / 移民制限法 / ポーランド系アメリカ人 / 母語 / Military Intelligence Division |
研究概要 |
平成16年度の調査研究は、第一次世界大戦期の「アメリカ化」政策を移民コミュニティー側の対応に焦点を絞って実施した。8月8日から25日の期間には、シカゴのポーランド系アメリカ人博物館を拠点に、実地の史料調査を行った。ポーランド系移民3世で郷土史家のポール・ヴァラセック氏の協力を得て、第一次世界大戦時にシカゴのポーランド移民集住区で行われた多様な祝祭や軍事奉仕の実態を検証することができた。この時期ポーランド系コミュニティーは、アメリカの戦時公債運動などで愛国的活動を展開する一方で、独立のポーランド義勇軍を組織して、西部戦線でドイツと戦うなど、祖国再生運動に献身してもいる。こうした「アメリカ化」と祖国ナショナリズムの共生、あるいは相互浸透的なあり方は、当時シカゴで発行されたポーランド語やチェコ語の新聞記事からも明らかとなった。滞米中にシカゴ大学レーゲンシュタイン図書館で、同館が所蔵する,『シカゴ外国語新聞調査』(Chicago Foreign Language Press Survey)を閲覧したが、ここにアメリカの「自由のための戦争」に積極的に協力しながら、祖国の独立・再生に可能な限りの人的、資金的援助を試みる移民コミュニティーの姿が浮かび上がってきた。この在米調査の結果を踏まえて、日本では主にアメリカで発表され準最新の研究論文の系統的分析を行った。その成果の一部は、研究論文「祖国ナショナリズムとアメリカ愛国-シカゴのポーランド移民-」(研究代表者 樋口映美、『アメリカにおける国民意識の歴史的考察』科研費 基盤研究B1研究成果報告14310183、平成17年3月、127頁〜144頁)として発表した。
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