研究課題/領域番号 |
15720208
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
文化人類学・民俗学
|
研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
鈴木 慎一郎 信州大学, 人文学部, 助教授 (80303436)
|
研究期間 (年度) |
2003 – 2004
|
研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
|
配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2004年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2003年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
|
キーワード | カリブ海地域 / 音楽 / ダンス / 観光 / グローバル化 / 真正性 / 文化人類学 / ナショナリズム / ポピュラー文化 / ジャマイカ |
研究概要 |
第一に、昨年度に引き続き、カリブ海地域を訪れる観光客に提供される参加型ワークショップ等において現地の音楽とダンスがどのように表象されているかについて、先行の研究文献を渉猟し、かつ、実際にバルバドス国への渡航で収集した民族誌的資料にもとづいて、考察を行なった。その結果、カリブ海の音楽とダンスに関して殊更強調される「官能的」「陶酔的」といった性質は、ホスト側とゲスト側との間に厳然と存在する政治的経済的不均衡を隠蔽する方向に働いている、ということが明らかになった。 第二に、カリブ海文化の日本における演出と消費に関しては、特にレゲエ・ダンスの実践者たちに焦点を当てて考察を行なった。またその際、日本への伝播ということではレゲエ文化に先行する、ラテン・ダンスやヒップホップ文化の例を、有意義な参照先とした。その結果次のことが明らかになった。日本でのレゲエ・ダンスの実践者たちは、「本場」、つまり文化的真正性を保証する場所としてのジャマイカへの権威づけを行ないつつ、その「本場」とはまた別の真正性を表現しうるものとして自分たちのダンスを捉えている。ただし後者の真正性はその意味が多層化されており、日本というナショナルな真正性、ジェンダー的な真正性、さらには、個々の実践者の「その人らしさ」という意味での真正性などがある。
|