研究課題/領域番号 |
15720209
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
文化人類学・民俗学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
関 恒樹 広島大学, 大学院国際協力研究科, 助手 (30346530)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2005年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2004年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2003年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | フィリピン / トランスナショナリズム / フィリピノ・ディアスポラ / ミドルクラス・プロフェッショナル / 階層的アイデンティティ / グローバリゼーション / 文化の政治学 / ビサヤ / トランスナショナル・マイグレーション / アイデンティティ / 消費実践 / ミドル・クラス / ディアスポラ / ビサヤ地方 / 島嶼間マイグレーション / 力の民俗観念 / アイデンティティ構築 / エイジェンシー / 行為主体 / 日常的実践 |
研究概要 |
平成17年度の最終年度においては、フィリピン、ビサヤ地方社会のローカリティと国外のディアスポラ的なフィリピン人コミュニティとの紐帯に注目し、人々のアイデンティティ構築の日常的実践をより総体的に分析し、具体的状況に即して記述する事を試みた。 本年度は、平成17年9月の3週間ほどをマニラ首都圏などにおいてインタビュー調査のために費やした。現地調査では、カナダ、アメリカ合衆国などの北米地域、あるはイギリスなどの西欧地域などのフィリピノ・ディアスポラ・コミュニティとの間に親族・友人などとの紐帯を維持し、自らも移住を希望する都市ミドルクラスの人々40名ほどに集約的なインタビュー調査を行い、それを基に、グローバル化の進展する今日のフィリピン社会における階層的アイデンティティの構築と海外移住の実践とのかかわりに関する分析を試みた。 フィリピンのビサヤ海域社会における生計戦略としての移動行為という極めてローカルな対象から出発した本研究は、最終的には、今日の東南アジア地域社会におけるグローバリゼーションの浸透と、その過程でのミドルクラス・アイデンティティの生成、あるいは活性化についての文化論的考察というより普遍性の高い問題系に帰着したという事が出来る。現在、そして今後の私の研究課題は、近年の海外移住によって新たな財・知識・ステータスを獲得しつつあるフィリピンのミドルクラス・プロフェッショナルたちの階層的・階級的アイデンティティ模索の実践を、「文化の政治学」、すなわち様々な異階層からの対抗的アイデンティティとの交渉・せめぎ合いに注目しつつ明らかにしてゆくことにある。
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