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国民国家形成と遺影の成立に関する民俗学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 15720216
研究種目

若手研究(B)

配分区分補助金
研究分野 文化人類学・民俗学
研究機関国立歴史民俗博物館

研究代表者

山田 慎也  国立歴史民俗博物館, 研究部民俗研究系, 助手 (90311133)

研究期間 (年度) 2003 – 2005
研究課題ステータス 完了 (2005年度)
配分額 *注記
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2005年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2004年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2003年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
キーワード供養絵額 / 遺影 / 肖像 / 戦死 / 写真 / 国民国家 / 異常視 / 死生観 / 供養 / 異常死
研究概要

今年度は最終年度であり、現在までの調査の総括と補足調査を行った。まず、2005年9月に開催された日本宗教学会学術大会において、パネル「死者の祭祀と供養-集団性と個人性の葛藤と共存」のなかで「死者に対する慰撫と顕彰」というタイトルで発表した。
当該科研費の研究成果をふまえ、岩手県中部においては当初、哀れむべき慰撫される死者たちが来世の幸福な姿として絵額にされたが、不幸な慰撫される存在の延長上にあった戦死者が、御真影等の肖像形式となり、顕彰として写真を使用するようになった。それ以降、不幸な死者だけでなく、天寿を全うした老人などの遺影も奉納されるようになり、死者が顕彰される存在として捉えられるようになったことを報告した。
さらに今までの成果のうち、岩手県宮守村長泉寺の絵額・遺影調査の資料を整理し、「近代における遺影の成立と死者表象」という論考をまとめ、『国立歴史民俗博物館研究報告』132号に掲載された。ここでは絵額の成立と特徴を詳細に検討し、絵額が供養を目的としていること、夭折の死者や連続して死亡した使者など特に慰撫すべき存在であること、ある程度のパターンができていることなどが明らかになった。そうした絵額から遺影への変化は、戦死者において顕著であり、そこには顕彰のまなざしがあり、それ以降になると不幸な死者にも遺影を用いることがわかってきた。こうした遺影への変化は、表象のあり方が現世の記憶を基盤にしただけでなく、写真それ自体が死者そのものの表象として使われるようになり、人々の遺影への意味づけは多義的になっていた。こうして近代の国民国家形成の過程において、とくに戦死者の祭祀との関連から、死者の表象のあり方が大きく変わるとともに、死の意味づけを変えていったこと明らかになった。

報告書

(3件)
  • 2005 実績報告書
  • 2004 実績報告書
  • 2003 実績報告書
  • 研究成果

    (7件)

すべて 2006 2005 2004 その他

すべて 雑誌論文 (5件) 文献書誌 (2件)

  • [雑誌論文] 近代における遺影の成立と死者表象-岩手県宮守村長泉寺の絵額・遺影奉納習俗を通して-2006

    • 著者名/発表者名
      山田慎也
    • 雑誌名

      国立歴史民俗博物館研究報告 132

      ページ: 287-325

    • 関連する報告書
      2005 実績報告書
  • [雑誌論文] 死者に対する慰撫と顕彰2005

    • 著者名/発表者名
      山田慎也
    • 雑誌名

      宗教研究 347

      ページ: 134-135

    • 関連する報告書
      2005 実績報告書
  • [雑誌論文] From the folklorism to the globalism of funeral rituals : The development of the new services in the funeral industory2005

    • 著者名/発表者名
      Shinya Yamada
    • 雑誌名

      日本における死者と追悼の歴史と現代

      ページ: 26-40

    • 関連する報告書
      2004 実績報告書
  • [雑誌論文] 死者とともに暮らす生活-上久堅の民俗調査から2005

    • 著者名/発表者名
      山田慎也
    • 雑誌名

      伊那民俗 60号

      ページ: 3-5

    • 関連する報告書
      2004 実績報告書
  • [雑誌論文] 死の意味を見つめる場2004

    • 著者名/発表者名
      山田慎也
    • 雑誌名

      SQUARE 136号

      ページ: 10-13

    • 関連する報告書
      2004 実績報告書
  • [文献書誌] 山田慎也: "葬儀とフォークロリズム"日本民俗学. 236号. 137-146 (2003)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] 藤井正雄: "仏教再生への道すじ"勉誠出版. 260 (2004)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書

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公開日: 2003-04-01   更新日: 2016-04-21  

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