研究課題/領域番号 |
15730009
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
公法学
|
研究機関 | 福島大学 |
研究代表者 |
下山 憲治 福島大学, 行政政策学類, 助教授 (00261719)
|
研究期間 (年度) |
2003 – 2005
|
研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
|
配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2005年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2004年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2003年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
|
キーワード | 不確実性 / リスク行政 / 科学原則 / EU食品安全機関 / 食品安全委員会 / 意思決定 / リスク管理 / リスク分析 / 科学社会 / 公法学 / リスク / 予防原則 |
研究概要 |
本年度は、本研究課題の最終年度に当たることを踏まえ、これまでの成果を礎に、EU法およびドイツ法を素材として、不確実性の条件下における行政上の意思決定組織構造の分析をすすめた。その結果、特にEU食品安全機関の設立過程における議論の中で科学的機関の独立性(中立性)・専門的卓越性・透明性がキーワードとして登場していたこと、この点を法的視点からとらえると、近年のリスク行政組織では、法治国原理に基づく科学(性)原則と民主制原理に基づく透明性原則という二つの法原則からのアプローチが重要であることが明らかになった。これらに関しては、既に公表している今年度の成果である「科学性・透明性原則と行政組織構造の法的分析」において、行政上の意思決定における科学的合理性を可及的に追求するという法治国原理に基づく科学原則は、「既知」ないし「熟知」の条件下とは異なり、本研究の対象である不確実性の条件下では、それを過度に要求できず、一定の限定的合理性を追求・担保するため、その時々の科学水準とそれ以前のものを照合し、何らかの異同があれば適時に必要な適合化が義務づけられることとなる。そして、その実現のひとつの担保手法として、科学的な(行政)組織体が、近年、新設・創設されてきていることを明らかにした。また、どの程度の合理性(言い換えれば、どの程度の安定性・安全性)を追求するのかについて、透明で民主的な意思決定が必要となることを明らかにした。この双方の原則をもとに古典モデル、現代モデル、先端モデルという不確実性の条件下における意思決定の合理化モデルを用いて、上記対象地域の法制度を分析・検討した。今後は、化学物質や食品、労働安全衛生や施設安全など、領域ごとの実体法上の特性を踏まえた研究が必要となる。
|