研究課題/領域番号 |
15730025
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
国際法学
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研究機関 | 立教大学 |
研究代表者 |
東條 吉純 立教大学, 法学部, 助教授 (70277739)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2004年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2003年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 地域統合 / グローバリゼーション / 貿易自由化 / アジア / WTO / 補助金 / 競争法政策 / 地域経済統合 / 補助金規制 / アジア地域 |
研究概要 |
アジアにおける地域統合の流れは予想を上回るペースで加速化しており、現時点では、EUにおける国家補助規制のような形態の、各国の補助金政策ないしは産業政策に対して、域内市場の一層の自由化をめざした競争政策的な規制の導入は実現していない。逆に、域内コンソーシアム型の共同プロジェクトは、これまでも実施されており、これからもあり得る(例:ASEAN車)。従来の状況に対して、新たに注目されるプレーヤーとして、中国と日本が登場した。これらの国に主導される形で、東・南東アジア地域における自由貿易圏構想がにわかに現実的なものとなりつつあり、今後の動向が注視されるが、これら地域統合においても、現段階では主に関税撤廃を中心としたモノ貿易の自由化および資本やヒトの移動をともなうサービス貿易自由化が主たる関心対象であり、各国の補助金政策に対する直接の地域内規律は俎上にのぼっていない。また、我が国ODA等の国際援助も。 他方、WTOによる多国間自由貿易体制は、その創設から10年が経過し、いくつかの潜在的問題をはらみながらも、おおむね順調に推移している。補助金規律の分野においても、SCM協定やTRIMs協定による各国の産業政策の規律は、ガットからWTOへの「法化」パラダイム転換を受けて、法律上も実際上も、従来より厳格な国際規律の下に置かれている。こうした国際規律は、開発途上国にも等しく及んでおり、これはインドの自動車事件、インドネシアの国民車事件、カナダ=ブラジル間の小型航空機に対する補助金を巡る紛争などの紛争解決事例に実証的にあらわれている。 このように当面、アジア地域における補助金の国際規律は、WTO主導で進むものと予想されるが、現在加速の度を高めているアジア地域の市場統合が急速に進展する場合には、域内の補助金規律が、域内市場自由化および統合という観点から当然問題となり得よう。
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