研究課題/領域番号 |
15730037
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
刑事法学
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
橋爪 隆 神戸大学, 法学研究科, 助教授 (70251436)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2005年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2003年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 経済刑法 / 倒産犯罪 / 破産犯罪 / 自救行為 / 債権回収と刑事法 / 違法性阻却 / 自力救済 / 執行妨害 / 客観的処罰条件 / 詐欺破産罪 |
研究概要 |
本年度は、本件研究の最終年度であり、倒産犯罪の保護法益、「破産手続開始決定の確定」の理論的な意義など、倒産犯罪の基礎理論的な研究(平成15年度に着手)、新破産法のもとにおける破産犯罪規定の解釈論的検討(平成16年度に着手)を引き続き実施するとともに、破産犯罪全般に関する総合的な研究作業に従事した。特に詐欺破産罪(新破産法265条)の行為類型(財産の隠匿、仮装譲渡・債務負担、価格減損行為、不利益処分など)について、その意義と限界を検討した。また、研究活動に際しては、破産犯罪にとどまらず、金融犯罪、執行妨害事案、高金利処罰、マネーロンダリングなど、経済犯罪一般に関心を広げ、経済刑法全体の文脈の中で破産犯罪を分析するように心がけた。 一方、「債権回収において、いかなる場合に、また、いかなる範囲で刑事法が介入すべきなのか」という問題意識から、刑法の違法阻却の理論的研究、とりわけ自救行為(自力救済)の正当化根拠とその限界に関しても検討を加えた。その結果、現在の通説のように自救行為の成立要件をきわめて厳格に解する必要はなく、むしろ、正当防衛との連続性という観点から分析を加えるべきではないかと考えるに至った。この点についてはさらに検討を加えたうえで、近日中に成果を公表する予定である。 本年度はこのように多角的な観点から研究活動を行った結果、複眼的な視点を獲得できたように思われ、それ自体はきわめて有益であった。もっとも、それらのアプローチが破産犯罪の分析に十分に収斂しているとは言い難く、今後、さらに継続的に研究を続ける必要がある。
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