研究課題/領域番号 |
15730074
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
政治学
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研究機関 | 大阪大学 (2005) 愛媛大学 (2003-2004) |
研究代表者 |
上川 龍之進 大阪大学, 法学研究科, 助教授 (40346656)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2005年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2003年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 金融危機 / 大蔵省 / 日本銀行 / バブル / 不良債権 / 労働政治 / 金融政策 / 金融行政 / 中央銀行 / 比較政治経済 |
研究概要 |
本年度は、第1に、1980年代の日本と90年代のアメリカにおける株価バブルの政治的要因について、比較研究を行い、研究成果を論文として公刊した。ここでは、両国ではともに、一般財の物価が安定していたがゆえに、株価が高騰したにもかかわらず、金融引き締め政策が発動されず、バブルが大規模なものになったこと、そして物価が安定していたのは、労働賃金が抑制されていたことと、民間経済主体が、中央銀行のインフレ抑制的な金融政策に対し、高い信認を与えていたことが原因であることを論証し、このメカニズムが従来の比較政治経済学では見過ごされてきたことを指摘した。第2に、本研究課題のうち、特に日本に関する研究内容について、研究成果を図書として公刊した。ここでは、70年代後半以降、労働賃金が抑制され、かつインフレ抑制的な金融政策がとられ、物価が安定したために、80年代後半の資産インフレに対して金融引き締め政策は発動されず、バブルが膨張してしまったこと、また90年代において金融問題に対して抜本的な対応策がとられなかったのは、金融危機管理を本務とし、それに長期的観点から取り組む組織が日本にはなかったからだということを論証した。第3に、真渕勝(京都大学教授)、Torsten Svensson(Ass.Prof, Uppsala University)とともに行っていた、日本とスウェーデンの金融危機の比較研究の成果をまとめて、日本語論文と英語論文とを公刊した。ここでは、政府と金融機関との関係の差異が、両国の政策担当者の責任回避戦略を異なるものとし、それが、両国の金融危機に対する政策対応の違いをもたらしたことを論証した。第4に、90年代前半の日本において、金融問題の先送りに関係した政治アクターの認識と行動について研究を行い、その成果を論文として公刊している。
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