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助字と徂徠学を中心とする江戸時代の言語論と政治思想の研究

研究課題

研究課題/領域番号 15730078
研究種目

若手研究(B)

配分区分補助金
研究分野 政治学
研究機関東京都立大学

研究代表者

相原 耕作  東京都立大学, 法学部, 助手 (80336528)

研究期間 (年度) 2003 – 2004
研究課題ステータス 完了 (2004年度)
配分額 *注記
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2004年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2003年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
キーワード荻生徂徠 / 古文辞学 / 徂徠学 / 弁道 / 弁名 / 政談 / 論語徴 / 言語論 / 伊藤東涯 / 太宰春台 / 日尾荊山 / 助字 / 『助語辞』
研究概要

本研究は、江戸時代の言語研究と政治思想との関係を、荻生徂徠を中心として明らかにすることを目的としており、江戸時代の言語研究と古典注釈を幅広く検討し、言語研究の方法論的革新、それに基づく古典の読み替えを跡づけ、それらのもつ政治思想史的意義を考察する試みの一環として行われるものである。昨年度の研究で、徂徠は言語の分析的理解を目指す認識主体としての一定の断念とともに、古文辞学へと転じ、認識が不完全でも言語を自在に操作できる操作主体として自己を確立したことを明らかにした。本年度は、含蓄ある古文辞の断章取義的利用を図る古文辞学的方法論を経典解釈に応用することで、どのように徂徠学が成立してくるかを、できるだけ具体的に明らかにすることを試みた。
手順としては、徂徠の『論語徴』を、朱子学の『論語集注大全』、伊藤仁斎の『論語古義』等と丹念に比較しながら、古文辞学的な経典解釈の具体的な姿を検討するとともに、儒学の諸名辞の面目を一新した『弁道』『弁名』について、『北渓字義』や『語孟字義』とも比較しつつ考察し、さらに、現実的な政策論を論じた『政談』を検討して、古文辞学的な方法論が徂徠学の中に貫徹する姿を明らかにした。
徂徠学は、その新たな概念が含蓄の確保とその自在な利用に適うものとして構成されており、古文辞学的方法論に従うものである。徂徠学の構想する「先王の道」のあり方も古文辞学的であり、「先王の法言」の断章取義的な利用という古文辞学的方法論がその根底を支えていた。さらに、徂徠の『論語徴』は、一見、具体的な文脈を重視する注釈のように見えるが、文脈重視のスタイルは、むしろ抽象的・一般的議論を批判し、自在な言語操作によって新たな解釈を導き出すための戦略的な足場として機能していると考えられる。このように、<言語の学>から古文辞学への転換は、徂徠学の成立という思想の転換に結びついているのである。

報告書

(2件)
  • 2004 実績報告書
  • 2003 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて 2005 その他

すべて 雑誌論文 (1件) 文献書誌 (1件)

  • [雑誌論文] 言葉と政策-五百旗頭薫『大隈重信と政党政治』を読む2005

    • 著者名/発表者名
      相原 耕作
    • 雑誌名

      東京都立大学法学会雑誌 45巻2号

      ページ: 477-496

    • 関連する報告書
      2004 実績報告書
  • [文献書誌] 相原 耕作: "助字と古文辞学:荻生徂徠政治論序説"東京都立大学法学会雑誌. 44-2. 351-412 (2004)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書

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公開日: 2003-04-01   更新日: 2016-04-21  

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