研究課題/領域番号 |
15730109
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用経済学
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研究機関 | 東京外国語大学 |
研究代表者 |
新熊 隆嘉 東京外国語大学, 外国語学部, 助教授 (80312099)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2005年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2004年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2003年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 廃棄物処理・リサイクル政策 / 経済理論 / 使用済み耐久消費財 / 貿易 / 途上国 / 資源循環 / 不法投棄 / 取引費用 / 廃棄物・リサイクル政策 / 耐久消費財 / 独占市場 |
研究概要 |
近年、先進諸国において、さまざまな使用済み耐久消費財について廃棄物処理・リサイクル政策が整理されつつある。その一方で、中古品やスクラップを先進国から輸入している途上国では、不適正なリサイクルがおこなわれており、甚大な環境汚染が生じていることが中国およびベトナムでのフィールド調査により再確認された。途上国においてもこの問題は深刻に受け止められており、先進国型のリサイクルシステムを試験的に導入しているが、必ずしもうまく機能しているわけではない。国内の適正処理施設に廃家電が集まらないのである。その背景には、途上国において環境に配慮しない不適正リサイクル部門が存在するために、スクラップが適正価格以上の高価で取引されている事実がある。環境に配慮した適性処理施設は不適正処理部門が買い取っているような高価で買い取ることができず、その結果、使用済み家電製品が適正処理施設に集まらない。したがって、途上国での適正リサイクルを担保するためには、輸入関税や輸出禁止などの貿易政策を含む包括的なインセンティブスキームを考案する必要がある。同時に、途上国側のリサイクルシステムと先進国側のリサイクルシステムは相互依存の関係であるため、先進国と途上国のマテリアルフロー全体を視野に入れた包括的なリサイクルシステムを検討していく必要がある。 このような観点から、新品・中古品・スクラップの3つを扱える貿易モデルを構築し、輸入関税等の貿易政策を含む最適な廃棄物処理・リサイクルシステムを検討した。その結果、中古品に関しては輸入禁止等の貿易制限をかけた方が望ましいこと、また、スクラップの輸入に関しては、輸入関税を高めに設定し、適正処理施設に補助金を出すというデポジット・リファンドシステムを導入することが望ましいこと、先進国側でDF方式が採用されていると中古品輸出の増加をもたらすことなど、いくつかの重要な結果を得た。
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