研究課題/領域番号 |
15730131
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用経済学
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研究機関 | 国立社会保障・人口問題研究所 |
研究代表者 |
泉田 信行 国立社会保障・人口問題研究所, 社会保障応用分析研究部・第1室長 (70360716)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2004年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2003年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 医療制度 / 経済成長 / 健康資本 / 医療システム / 健康水準 / 時系列分析 / 構造変化 |
研究概要 |
国際援助については被援助国の技術水準に対応して行われるべきであるとされている。特に医療については、高度な医療機器・施設を国際援助によって導入することが却って望ましくない状況を作り出す場合がある。高度な医療機器に対する費用負担が不可能な場合である。最近途上国に対して「医療制度のデザイン」自体を援助とする動きがあるが、これについても経済状態に応じたものとなる必要がある。 しかしながら、医療制度は経済力に応じた可能な費用負担の範囲に制約されることは先進国の医療制度改革の論脈からは明らかであるが、「医療制度のデザイン」援助によって経済成長が促進されるか否かについてはほとんど議論されてきていない。そこで、本研究では最初に最近の国際援助においてどのように「医療制度のデザイン」に関する援助が行われているかを調査しまとめている。 医療制度のデザインは当該国国民の健康資本蓄積に影響を与えると考えることは自然である。すると、医療制度のデザインは健康資本蓄積のパスを通じて当該国の経済成長に影響を与えるという、内生的経済成長理論のロジックが援用可能となる。本研究では内生的経済成長理論のサーベイを行った後、単純なモデル化を行った。それをベンチマークモデルとして異なるタイプの疾病が存在する場合も検討した。疾病は感染性のものとそうでないものに分類される。複数の個人が存在する場合には、疾病が感染性であることは外部性を通じて経済に大きな影響を与える。ただし、感染性疾患のコントロールに効率的なシステムは例えば慢性的な疾患が優性な経済においては非効率性を発生させる。それゆえ、慢性的な疾患が経済成長段階に応じた形で発現する場合には経済成長に応じて効率的な医療制度が変わることが理論的に示された。ただし、所得分配や高齢化によっても影響を受ける可能性があるため、理論モデルに基づいた様々な感度分析を行った。実証分析についてはUNDP等のデータを用いて行ったが、データの頑健性等検討するべき要件が大きく残されている。
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