研究課題/領域番号 |
15730132
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
経済政策
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
堀江 典生 富山大学, 極東地域研究センター, 助教授 (50302245)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2005年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2004年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2003年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 新規学卒者 / 就職経路 / ロシア / 学卒労働市場 / 就職支援 / 公共職業安定政策 / 職業分類 / 失業 / 大学 / 労働市場 / 若年層 / ノヴォシビルスク |
研究概要 |
本年度研究課題の目的は、ロシアの新規大卒就職問題について、新規学卒者の就職経路を明らかににするとともに、それぞれの就職経路の重要性を評価し、2000年以降のロシア政府の新規大卒就職問題への取り組みを考察することであった。特に、ロシア政府のそうした取り組みが、就職問題の現場としての大学においてどのように機能しているのかを探るため、サンクトペテルブルク国立経済金融大学とサンクトペテルブルク国立大学経済学部における学卒者就職支援の実態調査を行った。また、ロシア国家統計局労働統計部において、学卒者就職に関する統計作成の詳細について聞き取り調査を行った。 こうした調査に基づき、本研究課題で本年度明らかになったことは以下の通りである。 旧ソ連時代、新規大卒者は、国家指令的・強制的に企業や工場に配分されていた。企業に配分されるときに発行されていた「就職指令書」が、市場経済化したロシアにおいても統計に見いだされ、しかも、国立大学普通教育の卒業生の5割弱が「就職指令書」を受領している。市場経済化以降の「就職指令書」とは何を意味しているものなのかを明らかにした。この「就職指令書」とは、大学がもつ求人情報をもとにした就職を指している。とくに、2000年以降、ロシア政府は、大学付置の雇用センターを各大学に設置し、本格的に大学経由の就職という就職経路に力を入れ、新規学卒就職システムの形成に努力している。いまだに縁故経由の就職が重要な位置を占めている新規学卒労働市場において、社会階層の固定化につながるおそれのある縁故就職を抑え、ロシアの労働市場に適した新規学卒就職システムを形成することは、労働市場政策と教育政策両面において重要な意義をもつと論じた。
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