研究課題/領域番号 |
15730165
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
財政学・金融論
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研究機関 | 九州国際大学 |
研究代表者 |
西山 茂 九州国際大学, 経済学部, 教授 (20289565)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2005年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2004年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2003年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | ゲーム理論 / 信託 / 信託機関 / 金融仲介機関 / 金融仲介機能 |
研究概要 |
本研究の主眼は、投資裁量権の欠如という独自性に即して信託の金融仲介機能を理論的に考察することにある。 本年度の主たる課題は、これまでの研究成果を踏まえて、資産の受託関係を信託機関と委託者(受益者)との間の社会的ネットワークとして捉え、そこでの両者の意思決定と行動をゲーム理論に基づいて解明することにより、信託の金融仲介機能を一般的に明らかにすることであった。本年度の理論的な成果として、単一の信託機関をリーダ、多数の委託者をフォロアとするシュタッケルベルク型ゲームとしてこの受託関係を定式化し、ここで信託機関が裁量型資産と非裁量型資産を並行して受託する場合にユニークなナッシュ均衡が成立することを明らかにしている。このモデルでは資産の受託の過程で発生すると考えられる信託機関と委託者との間の情報の差異を理論的に組み込むことが併せて意図されており、ゲーム理論の観点からは展開型ゲームの概念を適用した成果であるということができる。 さらなる課題として、このシュタッケルベルク型ゲームを内容とするモデルにグラフ理論を適用して、ネットワークにおける資金フローを有向グラフで表現し、資産の受託と運用を一体化したより厳密な定式化が進められている。これによって、信託とそれ以外の金融仲介機関との競争、信託と他の金融業務とのシナジー(特に金融コングロマリット化を想定して)など、より具体的な諸条件を導入していくことが可能となろう。引き続いて取り組む計画である。
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