研究課題/領域番号 |
15730189
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
経営学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
目代 武史 広島大学, 大学院・社会科学研究科, 助手 (40346474)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2004年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2003年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 自動車産業 / 製品アーキテクチャ / 部品モジュール化 / 製品開発 / 開発組織のマネジメント / サプライヤー・システム |
研究概要 |
本研究は、製品開発における製品アーキテクチャ(製品の機能要素と構造要素の対応関係を決める設計思想)の働きに注目し、製品アーキテクチャの変更が製品・部品開発プロセスおよび開発組織に与える影響を究明するものである。調査の実施に当たっては、昨年度に引き続き、中堅自動車メーカーA社からの協力を得た。本年度の研究から得られた知見は以下の通り。 A社を含め日本の自動車産業における部品モジュール化は、生産におけるモジュール化が中心であった。生産のモジュール化とは、サブラインで予め組み立てた部品群(モジュール)をメインラインにおいて組み付けることにより完成車を生産することを意味する。他方、製品設計面では、モジュールの機能や構造の複合化が進み、製品アーキテクチャはむしろ統合的となっている。 そのため、モジュール部品の設計開発・生産を行う部品メーカーには、複雑に入り組んだ製品設計の機能的・構造的なインターフェースを調整する能力が求められている。部品メーカーが担当する開発作業は、ますます拡大する傾向にある。製品設計のモジュール化が十分に進展していれば、部品メーカーは担当モジュール内部の開発に専念することが出来、開発工程やコストの低減、開発リードタイムの短縮が容易になる。しかし、生産のモジュール化を推進力とする構造一体化は、機能システムの境界をしばしば横断し、製品設計のモジュール化とは必ずしも一致しない。この場合、部品メーカーは、他のモジュールや車体との機能的・構造的な相互依存を考慮したうえでの、構造一体化の取り組みが求められる。 その結果、部品開発においては、A社の部品開発担当と部品メーカーの開発組織との間で、より一層緊密な相互協力関係の構築が求められる。すなわち、モジュール化では、部品開発段階において、自動車メーカーと部品メーカーとの間で統合的な開発組織アーキテクチャがとられている。このことは、モジュール化が進めば、自律的、同時並行的な分業体制の確立が容易になるという一般によく言われている仮説に反している。しかし、自動車におけるモジュール化は、生産におけるモジュール化が中心であり、開発設計段階において企業間で緊密な協力関係の形成が促進されるのは自然な現象といえるのである。
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