研究概要 |
本年度は,オリンパス(株)伊那工場,味の素冷凍食品(株)中部工場,中部セキスイ工業(株)本社工場,花王(株)和歌山工場,(株)安西製作所,台湾松下電器股分有限公司の工場視察を行った。各工場は,それぞれ異なる作業を主体としており,異なる生産形態をとっている。また,雇用政策においても,熟練作業者を主体とすることを方針にしている工場と,パートタイマーのような非熟練作業者を主体とすることを方針としている工場とがあった。課業内容が雇用政策に及ぼす影響,雇用政策の違いが生産形態に及ぼす影響などについても研究上のヒントを得ることができた。このような視点から,工場セル化することが合理的と思われる工程と,ライン化することが合理的と思われる工程を識別しながら視察した。 各工場の取り組みに関する説明を受けながら,原価改善の業績評価法に関する着想を得た。これを今後の研究課題としたいと考えている。 さらに,(社)日本能率協会中部地域本部主催の生産技術研究部会・中間報告会に出席し,前ソニーEMCS美濃加茂テック・プレジデント加藤典孝氏の講演を聴講した。これによって,同社がセル生産を導入するに至ったプロセスの一端を知ることができた。加藤氏からは講演会後も話を伺い,様々な研究上のヒントを得ることができた。 研究成果としては,平成16年度末に『組織科学』に掲載された論文「セル生産による生産性増大の原理」を英訳し,Value-Based Management of Rising Sun(出版社:World Scientific Press,編者Monden, Y., Miyamoto, K., Hamada, K., Lee, G., Asada, T.)に投稿した。出版は平成18年秋頃の予定である。
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