研究課題/領域番号 |
15730205
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
商学
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
岡田 太 日本大学, 商学部, 講師 (30318323)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2005年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2003年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 異常災害債券(キャットボンド) / ハリケーン・カトリーナ / キャットボンド最初のデフォルト / KAMP Re 2005 / 損失補償型トリガー / パラメトリック型トリガー / 再保険市場 / 長生きリスクの証券化 / 保険(リスク)リンク証券 / リスクの証券化 / 特別目的(再保険)会社 / 全融と保険の融合 / 自然災害 / インデックス型契約 / 損害填補型契約 / スプレッド / シャープレシオ / 再保険市場のハード化 / 金融と保険の融合 |
研究概要 |
相次ぐ異常自然災害の発生とキャットボンド市場への影響 2005年の異常災害債券(キャットボンド)市場は、発行件数12件、発行額20億ドルで、過去最大であった。2005年末現在、流通市場は49億ドルに成長した。発行・流通市場に最も大きな影響を与えたのは、カトリーナ、リタなど米国を襲った相次ぐハリケーン災害であった。保険サービス・オフィス(ISO)によると、2005年の異常自然災害による保険損失は昨年の2倍以上の568億ドルで、ハリケーン関連の保険損失が全体の93%を占めた。 2001年からカトリーナ以前の異常災害債券市場は、「売り手市場」が続き、格付けが同等クラス(BB)の社債の利回りを下回っていたが、カトリーナ以降は一転して「買い手市場」となった。巨額の保険損失の結果、再保険市場のリスク引受能力(キャパシティ)が低下し、料率が上昇するとの懸念から、代替市場にリスクを移転しようとする(再)保険会社は機関投資家の要求する利回りの上昇に応えたからと考えられる。 とりわけ、KAMP Re 2005が発行した1億9000万ドルの債券がカトリーナによる損失でデフォルトし、償還不能となったことが公表され、投資家は初めての経験に衝撃を受けた。この債券は、元本・利子の支払いが保険会社の損失額に直接依存するタイプ(損失補償型)だった。他方、パラメトリックまたはモデル・タイプの債券は、一事故のあたりのアタッチメント・ポイントが高く設定されており、カトリーナ級のハリケーンでも、デフォルトしなかった。国際的な市場ネットワークによるリスク分散機能を高めるためには、キャットボンドの仕組み、とりわけベーシス・リスクについて、今後検証していく必要がある。 このほか、2005年は賠償責任リスクの証券化が行われた。また、長生きリスクの証券化の研究が進むなど、今後保険リスクの証券化市場の発展が期待される。
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