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先端医療技術の普及が家族に与える影響に関する社会学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 15730238
研究種目

若手研究(B)

配分区分補助金
研究分野 社会学
研究機関信州大学

研究代表者

武藤 香織  信州大学, 医学部, 講師 (50345766)

研究期間 (年度) 2003 – 2005
研究課題ステータス 完了 (2005年度)
配分額 *注記
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2005年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2004年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2003年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
キーワード生体肝移植 / 遺伝子診断 / 不妊治療 / 脱医療化 / 医療化 / 自発的意思 / ドナー(臓器提供者) / 当事者参加型研究 / 難病 / 医学研究 / 当事者活動 / 血液・組織バンク / 当事者団体
研究概要

これまでの研究成果をもとに、当事者とその家族に与えるインパクトの大きい生体肝移植、単一遺伝子疾患への遺伝子診断、不妊治療の領域において、それらが一般的な医療として浸透する過程について、1)医療側のエビデンス(実績)と語り、2)制度・政策面の後押し(費用負担の軽減など)、3)対象となる当事者の語りをもとに、主として1980年代以降の医療化の過程を文献調査によって整理した。同時に、提示されても「選択しない/辞退する」という形で脱医療化を目指す当事者の生き方の確立過程にっいても検討した。
生体肝移植については、2004年に生体肝移植医療の保険適用が拡大され、先端的な医療から一般的な医療へと位置づけも変化した。一方、ドナーが死亡した2003年以降、当事者による出版が相次ぎ、当事者からみた生体肝移植について負の側面が指摘されるようになっていることが確認された。同時に肝移植を受けなかった人々の状況についても検討した。
また、単一遺伝子疾患への遺伝子診断については、不安を解消し、覚悟を醸成する検査技術としての導入意図と遺伝カウンセリングの充実が強調されていたが、近年は遺伝カウンセリングへの距離と同時に、検査技術の存在そのものが不安を増幅するという危惧から脱医療化をはかる語りもみられる。本年度は、9月に国際ハンチントン病会議(World Congress on Huntington's Disease)に出席し、当事者が遺伝子診断を利用せずに、症状の兆候や進行の不安と向き合う生き方について報告した。
最後に不妊治療については、少子化対策の一環として高度な生殖補助医療技術も含めた不妊治療に対する財政的な支援が実施された影響から、当事者にとって不妊治療を辞退する合理的な理由であった「財政的な困難」が選択肢から奪われた点、また「不妊相談事業」が「不妊治療相談事業」化している点などから、急速に医療化が促進されていると考えられる。

報告書

(3件)
  • 2005 実績報告書
  • 2004 実績報告書
  • 2003 実績報告書
  • 研究成果

    (11件)

すべて 2005 2004 その他

すべて 雑誌論文 (6件) 図書 (1件) 文献書誌 (4件)

  • [雑誌論文] 全国自治体における不妊専門相談センター事業に関する現状調査2005

    • 著者名/発表者名
      武藤香織, 黒田幸代
    • 雑誌名

      助産雑誌 59(10)

      ページ: 930-930

    • 関連する報告書
      2005 実績報告書
  • [雑誌論文] 神経難病患者と入院2005

    • 著者名/発表者名
      武藤香織
    • 雑誌名

      家族看護 3(1)

      ページ: 106-106

    • 関連する報告書
      2005 実績報告書 2004 実績報告書
  • [雑誌論文] 渾伝とエンパワーメント 当事者団体の果たす役割2005

    • 著者名/発表者名
      武藤香織
    • 雑誌名

      助産雑誌 59(2)

      ページ: 124-129

    • 関連する報告書
      2004 実績報告書
  • [雑誌論文] 「知らないでいる権利」を行使するために2004

    • 著者名/発表者名
      武藤香織
    • 雑誌名

      科学 74(5)

      ページ: 641-644

    • 関連する報告書
      2004 実績報告書
  • [雑誌論文] 倫理委員会の明日はどっちだ!?2004

    • 著者名/発表者名
      武藤香織
    • 雑誌名

      患者のための医療 9

      ページ: 79-83

    • 関連する報告書
      2004 実績報告書
  • [雑誌論文] 舞踏と「舞踏病」の邂逅2004

    • 著者名/発表者名
      武藤香織
    • 雑誌名

      現代思想 14

      ページ: 162-169

    • 関連する報告書
      2004 実績報告書
  • [図書] 「ハンチントン病の当事者団体を支援して」, pp.218-230『遺伝相談と心理臨床』(伊藤良子監修, 玉井真理子編)2005

    • 著者名/発表者名
      武藤香織
    • 総ページ数
      245
    • 出版者
      金剛出版
    • 関連する報告書
      2005 実績報告書
  • [文献書誌] 武藤香織: "「確率」を引き受けるための支援-「生活上の知」から,「小特集=遺伝学・遺伝性疾患・遺伝カウンセリング--東京地裁平成15年4月25日判決を手がかりに」"法律時報. 934. 70-72 (2003)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] 武藤香織: "医療と研究の資源としての家族--ポスト・ゲノムの時代に"家計経済研究. 62(未定). (2004)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] アリス・ウェクスラー著 武藤香織, 額賀淑郎訳: "ウェクスラー家の選択-遺伝子診断と向き合った家族"新潮社. 361 (2003)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] 武藤香織(植竹日奈他): "ALSとジェンダー(人工呼吸器をつけますか?ALS・告知・選択)"メディカ出版(所収). 182 (2004)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書

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公開日: 2003-04-01   更新日: 2016-04-21  

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