研究課題/領域番号 |
15730281
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
社会心理学
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研究機関 | 横浜国立大学 (2004-2005) 岡山大学 (2003) |
研究代表者 |
村本 由紀子 横浜国立大学, 大学院・国際社会科学研究科, 助教授 (00303793)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2005年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2004年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2003年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 関係性 / 内集団 / 家族 / 原因帰属 |
研究概要 |
本研究は、集団の一員としての個々人が、自らが身を置く集団の関係性に応じて異なった認知システムを生起させるプロセスについて探究を進めてきた。具体的には、日本人が自らの成功・失敗の原因帰属に際して周囲の他者からのサポートに基づく「間接的自己高揚(indirect self-enhancement)」を行う、というMuramoto(2003)のモデルを足がかりとして、他者との関係性の違いに応じた自尊心維持・高揚メカニズムを明らかにすることを目指してきた。今年度は、日本人大学生とその周囲の他者(父・母・きょうだい・親友・同級生・初対面の人)とを対象として従来から実施してきた多角的な対人関係データの収集を完了した。多次元尺度法によって抽出された6つのクラスターを用いてさまざまな他者との関係を類型化したところ、親密度の高い対人関係として、心理的一体化を基盤とするもの(身内意識や類似性を重視する関係)と、相互配慮を基盤とするもの(他者への尊敬と遠慮、自己の威厳の保持などを同時に重視する互酬的関係)の両方が見出された。これらの成果に基づいて、日本文化に根強いとされてきた「相互協調的」な人間関係のモデルを再定式化し、ニュージーランドで開催されたアジア社会心理学会(Asian Association of Social Psychology)において発表した。 また、かねてより「家族」の心理的意味と機能についての国際比較研究プロジェクトに参加し、核家族および拡大家族の構造、それぞれの成員の物理的および心理的役割、家族の心理的結びつきの強さとその意味などについてのデータ収集と分析を共同で進めてきた。今年度は、その成果をまとめた書籍"Families across cultures : A 30 nation psychological study"の刊行に向け、理論枠組等に関して詰めの議論を行った。本書はケンブリッジ大学出版より2006年8月刊行の予定。
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