研究課題/領域番号 |
15730316
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
臨床心理学
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
冨家 直明 宮崎大学, 教育文化学部, 助教授 (50336286)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2005年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2004年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2003年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | アトピー / 認知行動療法 / 主張性 / 思春期アトピー疾患 / ストレス過程 / 調査研究 / 自己評価 |
研究概要 |
〔研究の目的〕アトピー疾患者を対象にアサーショントレーニングを主体とする認知行動療法のプログラムを実施し、対人適応の向上とQOL、皮膚症状の緩和程度の関連を明らかにする。 〔研究の方法〕対象・・・県内A大学においてアトピー被験者(男女計20名)を募集し、2つの介入群に振り分けられた。(1)認知行動療法介入群10名:介入プログラムは4セッション(4週間)からなり、病態理解、リラクセーション、ストレスマネジメント、アサーショントレーニングから成る。介入方法は、リラクセーションのみ集団方式とし、他はすべてe-Learningを活用した。(2)対照群10名:対面型個別支持的カウンセリングを8週間に3回実施した。 アセスメント・・・次の調査用紙を用いてアセスメントを介入の前後で実施した。(1)心理的ストレス反応測定尺度(Stress Response Scale-18:SRS-18)、(2)3次元モデルにもとづく対処法略尺度(Tri-Axial Coping Scale : TAC-24)、(3)学生用ソーシャル・サポート尺度(The Scale of Expectancy for Social Support : SESS)、(4)日本語版The 20-item Toronto Alexithymia Scale(TAS-20)、(5)DLQI(Dermatology Life Quality Index)、(6)Skindex 29、(7)高校生用主張性尺度(高木2001)、(8)自尊心尺度(SES) 解析・・・検査結果は両介入前後・群間で比較され(2between×2withinのAnova)、各治療技法の効果が判断された。 〔研究の結果〕心理的ストレス反応(不機嫌・怒り因子)及び主張性(意見の表明因子)については交互作用があり、CBT群は有意に改善した。また、自尊心は両群ともに時期の主効果があり、有意に改善した。DLQI、Skindex29、その他の尺度は変化がない。 〔考察〕人間関係に焦点を当てた認知行動療法の結果、アトピーの症状やQOLの改善にまでは至らないが、ストレス反応の緩和や主張性の獲得などの認知行動的変化をもたらすことが確認された。皮膚症状の変化に与える影響はさらに時間をかけて観察する必要がある。
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