研究課題/領域番号 |
15730364
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
教育学
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
前田 晶子 鹿児島大学, 教育学部, 助教授 (10347081)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2004年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2003年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 発達と発生 / 翻訳育児書 / 児童研究 / 小児医学史 / 心理学史 / 子ども観 |
研究概要 |
今年度は、昨年度の調査・研究を踏まえ、明治期の育児書のなかでも翻訳育児書に焦点を当てた資料収集と分析を行った。また、調査領域を育児書から児童研究、教育学、心理学、女子教育、小児医学に広げ、それぞれの領域における西洋発達概念(英:development)の翻訳状況と相互の関係について調査を行った。 調査のなかでとりわけ注目されたのは、西洋発達概念の初期の翻訳語である「発生」が明治初期の段階でほとんど使用されておらず、かろうじて小児医学の領域での使用がみられたという点である。また、翻訳育児書の場合、(1)明治初期においては未だ西洋発達概念の対訳語が一定していない、(2)「発達」の語は知識の獲得や認識の深まりといった場合にのみ用いられる傾向にある(例:「智慧の発達」)、(3)身体の生理的な成長と精神面における成長が別の文脈で捉えられ、「発達」の語彙は後者にのみ用いられているということがわかった。これらの特徴は、西洋における発生学的な発達への感心とは異なり、日本において発達概念が限定的に理解されていたことを示唆している。 [平成16年度の研究実績] 1)資料の収集状況及びデータベースの作成 明治26年以前の翻訳教育関係書(国会図書館蔵) 49点 内訳 教育学 16点 心理学 3点 女子教育 15点 その他 15点 2)発表 (1)「発達概念の翻訳過程にみる成長論の『近代』」『近大教育フォーラム』第13号 (2)「明治初期の子育て書における発達概念の使用」『鹿児島大学教育学部研究紀要』第56巻
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