研究課題/領域番号 |
15730366
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
教育学
|
研究機関 | 愛知県立大学 |
研究代表者 |
近藤 健一郎 愛知県立大学, 文学部, 助教授 (80291582)
|
研究期間 (年度) |
2003 – 2005
|
研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
|
配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2005年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2004年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2003年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
|
キーワード | 宮良長包 / 発音唱歌 / 標準語教育 / 方言札 / 久米島 / 学校記念誌 / 近代沖縄 / 沖縄県用尋常小学読本 / 沖縄島北部 / 教育史 |
研究概要 |
昨年度までの回想記録を資料とした方言札の実態解明を継承深化すべく、同時代史料に基づく分析に本格的に着手した。今年度の調査研究の内容と成果は、以下の点にある。 1、「安里屋ユンタ」など沖縄新民謡の作曲者として知られる宮良長包個人及び彼の作詞作曲した「発音唱歌」に注目して、近代沖縄における多様な標準語教育実践の一端の実態解明を開始した。本年度は『沖縄教育』や『先嶋新聞』などの同時代史料及び宮良に関する先行研究を調査収集し、分析を進めた。その過程で「発音唱歌」作詞作曲当時の宮良が著した史料を発見したので、その全文紹介とそこでの教育論を分析する論考を発表した。新史料において論じられている宮良の教育論の特徴は、児童を尊重し理解したうえで教育実践を行うという当時の「児童中心主義」と重なる新しさを持ちつつも、子どもを「国家の御用品」とするなど天皇制から自由ではなかったことにある。 2、学校記念誌に掲載された回想記録の調査結果に加えて、『琉球教育』に掲載される授業記録での教授用言語に注目して標準語教育の実態分析を行った。1900年代前半に、それまでの沖縄言葉と標準語の「対訳」を前提とする教授法から、実態としては「対訳」を行いつつも理念としては「対訳」を行わず標準語のみによる標準語教育を行おうとする論が登場する変化が生じているので、当該時期に方言札を考案する教授者側の条件が整うことを明らかにした。 3、学校での標準語教育実践を地域社会のなかでとらえるため、久米島と黒島の史料を収集し分析を始めた。当面は史資料の調査収集を継続し、その分析を進めていく予定である。 その他、これまでの私の沖縄教育史に関する研究成果を著書として刊行し、その加筆修正にあたって、方言札に関する記述など標準語教育部分に、科学研究費の成果を反映した。
|