研究課題/領域番号 |
15730405
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
特別支援教育
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研究機関 | 東京学芸大学 |
研究代表者 |
奥住 秀之 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (70280774)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2005年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2004年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2003年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 知的障害 / バランス / 身体運動 / ダウン症 / 速度と正確性 / 教育支援 / 自閉症 / 運動行為 / 運動速度 / 運動正確性 / 環境 / 物的バランス / 歩行 / アセスメント |
研究概要 |
知的障害児・者(以下、知的障害児とする)に身体運動面、特にバランス面に制約が見られることは古くから知られているが、そのメカニズムや教育支援方法については十分明らかにされてはいない。本研究は、知的障害児のバランスについて動的バランス、性的バランス、物的バランスという3つの側面から分析し、その特性を明らかにして、支援方法の基本を考案するものである。 本年度は、そうした3種のバランスのうち、保持する事物の安定性に関連する物的バランスについての検討を試みた。具体的には、二つのコップを用意して、一つのコップからもう一つのコップにこぼさず、かつ、できるだけ速やかに水を移し切るという課題を遂行し、その成績を評価した。その結果、知的障害児は、健常児・者と比較すると、確かに全般的に速度が遅い。しかし、こぼす水量については、多くこぼす者もいればほとんどこぼさない者もおり、ばらつきが大きく多様であることが分かった。その多様性を更に吟味したところ、ダウン症者は速度が遅いもののこぼさず移しきる者が多いことが明らかになった。 以上から、物的バランスについてみれば、バランス運動そのものに関わる側面と物体安定的側面の両面からの検討が有用であり、前者については知的障害児は全体的に低いものの、後者については低くない成績を示すものが少なからず存在した。これは、近年のダウン症特性でいわれる速度と正確性のトレードオフメカニズムと重なる点も多く、示唆に富むものであった。支援の原則も、こうした視点に立つと、丁寧さ正確さという評価をもとに行なうことが重要であることが明らかになった。また、こうした視点でのLD等軽度発達障害児支援の可能性を考察した。
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