配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2005年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2004年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2003年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
|
研究概要 |
昨年度に執筆した論文"Dualizing complex of the incidence algebra of finite regular cell complex"と"Castelnuovo-Mumford regularity for complexes and weakly Koszul modules"が,今年度に入って学術雑誌に受理された.特に前者は,受理される前に大幅な加筆を行い,組合せ論的な側面(正則胞体分割の半順序集合としての「メビウス関数」など)を強化している. また,今年度に得られた結果として,「アファイン半群環K[C]の被約な単項式イデアルIによる剰余環(最近では,"toric face ring"等と呼ばれるもの)の"sequentially Cohen-Macaulay"性(以下"seq.CM"と略す)は,Iに付随するpolytopal complexの位相的性質(と体Kの標数)のみによって定まる」を示したこと等が挙げられる.論文は,現在執筆中である.toric face ringのCohen-Macaulay性が位相的性質であることは(K[C]が多項式環の場合のMunkresの著名な結果の一般化であるが),20年前Stanleyによって証明されており,筆者も数年前,層の理論を用いた別証明を与えている.今回の結果は,この筆者自身の論法の発展である(Stanleyの証明は,Yuzvinskyによる"section ring"の理論の応用であるが,seq.CM性の場合に,この論法を用いるのは困難かと思われる).なお,seq.CMは,Cohen-Macaulayを一般化した概念で,近年では,"shifting"や"non-pure shellability"との関連から,「組合せ論的可換代数」での重要性が増している.
|