研究課題/領域番号 |
15740021
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
代数学
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研究機関 | 京都大学 (2004) 大阪市立大学 (2003) |
研究代表者 |
望月 拓郎 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (10315971)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2004年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2003年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
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キーワード | harmonic bundle / twistor structure / D-module / Hodge structure |
研究概要 |
昨年度のtame harmonic bundleについての研究をまとめた論文"Asymptotic behavior of tame harmonic bundles and an application to pure twistor D-Module"を完成させました。これはMemoir of A.M.S.で発表される予定です。また、この研究成果について、京都大学微分トポロジーセミナー、別府で行われた研究集会、幾何学シンポジウムなどで講演を行うとともに、8月には香港大学を訪問し、滞在中であったMark Andreas de Cataldo氏と議論しました。一方、この研究の応用として、tame harmonic bundleのKobayashi-Hitchin対応についての研究を行いました。これは準射影多様体上のtame harmonic bundleと、射影的完備化上のstable parabolic Higgs bundleの対応を確立しようというもので、これまでにも何人かの人達によって試みられてきましたが、応用上満足できる結果は得られてはいませんでした。この問題に対して次のような方針で取り組みました。まず昨年度の漸近挙動の研究結果から、tame harmonic bundleから得られるparabolic Higgs bundleはある良い条件を満たすことがわかっていました。そこでその"条件"を課したものは必ずtame harmonic bundleから得られることを示しました。これは問題を完全に解決する結果ではありませんが、その"条件"はparabolic Higgs bundleの自明な変形で保たれるため、任意の局所系をvariation of Hodgeに変形できるという結果を得ることができます。また、淡中圏の考えを用いることで、昨年度の"半単純局所系とpure imaginary tame harmonic bundle"の対応を、もっと一般の実線型群の場合に拡張することができました。これらの考察をあわせることで、準射影多様体の基本群についての結果が得られました。ですから、私が証明した対応はとりあえず応用上は意義のあるものだと考えられます。これらの成果についてはプレプリント"Kobayashi-Hitchin correspondence for tame harmonic bundles"にまとめ、インターネット上でmath.DG/0411300として発表しました。
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