研究概要 |
昨年度に引き続き、群作用を持った自己双対計量に付随するツイスター空間の構造を調べ、次の2編の論文を書いた: 1.Equivariant deformations of LeBrun's self-dual metrics with torus actions(単著),to appear in Proceeding of American Mathematical Society ; mathDG/050407 C.LeBrunによって1991年に構成された自己双対計量のうち、トーラスの作用を持つものの変形を調べ、自明でない同変変形をもっものを決定した。その結果、circleの作用を持つ自己双対計量の新しい例が大量に存在することが証明できた。さらに、これら新しい計量のモジュライ空間の次元を計算した。 2.New examples of minitwistor spaces and their moduli spaces(単著),mathDG/0508088 昨年度までの研究で筆者が得た3CP^2上のツイスター空間から生じるミニツイスター空間の構造を決定した。特に、いわゆるミニツイスター直線が、nodeを一つ持った有理曲線になることを示した。既知のミニツイスター空間の例はきわめて限られており、本論文の結果は貴重な具体例を提供する。 これら以外にも、筆者による3CP^2上のツイスター空間のnCP^2への一般化の可能性を見い出したが、結果といえる段階まではまだ遠い状況である。また、Joyceによる自己双対計量のツイスター空間を具体的に構成することに成功したので現在論文を執筆中である。
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