研究課題/領域番号 |
15740070
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
数学一般(含確率論・統計数学)
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
杉浦 誠 琉球大学, 理学部, 助教授 (70252228)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2005年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2003年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 確率偏微分方程式 / 低温極限 / スペクトルギャップ / 連続場模型 / 対数ソボレフ不等式 / マルチンゲール法 |
研究概要 |
本年度は、確率偏微分方程式によって記述される確率モデル、特に体積一定の保存量をもつ場合における低温極限について、流体力学極限より速いスケール変換を施したときの平衡状態への接近の様子についての研究を行った。 この研究において、未だ研究成果といえるものを得ていないので、その進捗状況を述べることとする。 上記の問題に関して、保存料がない場合に10年ほど前に舟木氏によって解決されている。代表者は舟木氏との共同研究としてこの問題の考察を、上記の論文の方法を踏襲して開始した。予想される結果は、Ising模型でのWullf shapeに相当する、対応するギンズブルグ-ランダウ型のハミルトニアンの最小値をとる関数がトーラス上でブラウン運動するものと考えている。 この問題を考察するに当たり、最も困難な証明段階の一つに、対応するギンズブルグ-ランダウ型のハミルトニアンの最小値をとる関数の近傍におけるその退化の様子を解析がある。そのためには、その変分問題から導出される半線形微分方程式において、その変分問題の最小値をとる関数の周りでのその半線形微分方程式を線形化して得られるストルム-リウビル作用素の第2固有値のギャップを調べる必要がある。 通常この種の問題は正の値のみをとる固有関数についてのみ調べればよいが、我々は周期境界条件で保存量のある場合であるため、上記の方法で得られるものは定数解となり、有効ではない。現在、1次元の場合(この場合は固有値の重複度は一般には1または2であることが容易にわかる)にこの問題を考察中である。なお、我々は固有関数の形状から重複度が1であることを予想しているが、もし重複度が1であれば、この問題は舟木氏により解決されていることを補足する。ただし、重複度が2であっても周期境界条件であることを用いれば別の考察からうまくいくのではないかと考え、研究している。
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