研究課題/領域番号 |
15740089
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
基礎解析学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
日野 正訓 京都大学, 情報学研究科, 助教授 (40303888)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2005年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2004年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2003年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 無限次元空間 / パス空間 / 反射壁拡散過程 / Ornstein-Uhlenbeck過程 / Skorohod表元 / Dirichlet形式 / 有界変動関数 / BV関数 / Markov半群 / 熱方程式 / 漸近挙動 / 内在距離 / 自己相似集合 / トレース定理 / Besov空間 / 内在的距離 / 拡散過程 / フラクタル / Sierpinski carpet / エネルギー測度 |
研究概要 |
適当な空間が与えられたとき、それを状態空間とする自然な拡散過程を構成するという問題は確率論において最も基本的なものの一つである。特に境界が存在するとき、ランダムに動く粒子がその境界で反射するような拡散過程の構成は一般には容易ではない。特に空間が無限次元である場合は、未だに部分的な結果が知られているのみである。区間上のR^d-値連続関数からなるようなパス空間は典型的な無限次元空間の例であるが、その領域上の拡散過程は、Rdの領域内をランダムに動く弦の運動を記述していると解釈され、物理現象の記述という見地からも自然な対象であるといえる。本年度の内田裕人氏との共同研究においては、無限次元空間上の有界変動関数と対応する確率過程の性質に関する理論を援用することにより、外部一様球条件という条件を新たに導入した上で、この条件の下、パス空間の領域の定義関数が有界変動関数であることを示すことによってその上の自然な拡散過程である反射壁Ornstein-Uhlenbeck過程のSkorohod表現を得た。更に容量に関する詳しい評価を求めることで、この拡散過程の反射が起こる場所が領域の位相境界より遙かに小さい集合であることを証明した(現在論文を準備中)。この結果はL.Zambotti氏と針谷祐氏による先行研究の、ある意味での一般化および拡張になっているのみならず、このテーマにおける研究に新たな解析方法を導入しその有効性を示したという意義を持つ。
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