配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2005年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2004年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2003年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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研究概要 |
代表的な高次元可積分系である(反)自己双対Yang-Mills方程式から適当な簡約化により,Painleve方程式をはじめとする様々な可積分方程式が導出されることはよく知られている.一方で,Painleve方程式の古典解については,最近の研究により,P_<VI>の代数解を除いてほぼ明らかにされたといってよい.また,離散Painleve方程式についても,ここ数年の研究の進展は著しい. こうした状況を踏まえ,今年度は,離散Painleve系の特殊解についての研究を推し進める一方で,反自己双対Yang-Mills方程式の特殊解とPainleve方程式の超幾何函数解との対応を詳しく調べた.結果の概要は以下の通りである. 1.すべてのq-差分Painleve方程式に対してそれらのRiccati解を構成し,q-超幾何函数による具体的な表示を与えた. 2.P_<II>およびP_<IV>の超幾何函数解が,Corriganらにより構成された(反)自己双対Yang-Mills方程式の行列式解の特殊化として得られることを示した. 3.Painleve微分方程式を,対応する有理曲面の情報から導出する一つの方法を与えた.そこでは,射影平面上の特別な位置にある9点を通る3次曲線の1パラメータ族が本質的な役割を果たす. 4.q-差分Painleve VI方程式のタウ函数による定式化を行い,q-P_<VI>がq-UC階層の自己相似簡約として得られることを示した.その自然な帰結として,q-P_<VI>のある代数解の族は,普遍指標多項式(のq-類似)を用いて表されることが分かる. 以上の結果は学術論文に発表されている.
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