研究課題/領域番号 |
15740135
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
吉田 滋 千葉大学, 理学部, 助教授 (00272518)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2004年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2003年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | ニュートリノ / 宇宙線 / 天文学 / 南極 / 物理学 |
研究概要 |
昨年度(平成15年度)開発、較正した光電子増倍管を組み込んだ光検出器モジュール(Digital Optical Module - DOM)を組み上げ、紫外光に関する応答を計測する装置を開発した。 DOMは10インチ光電子増倍管を紫外線透過型ジェル及び地球磁気シールドで包み、高圧電源、回路系と共に耐圧ガラス球内に収容したものである。このモジュールがIceCube検出器として南極深氷河に埋設される。 氷河内を伝播するチェレンコフ光は散乱を受け、DOM球内にあらゆる角度から入射する。このため、DOMの光検出効率の角度、方向による依存性を精密測定する必要がある。特に高エネルギーニュートリノ事象ではチェレンコフ光が光電面の反対側から反射によって回り込む可能性があり、球面を4πスキャンすることが重要である。そこで2軸モータで制御されたアーム上にLED光源を実装し、DOM球面を前面スキャンする装置を作成し、スキャンを開始した。初期測定の結果では光電面正面からの紫外光に比べ、真横から入射する光子の検出効率は20%程度であることが示されている。 今後、この測定装置を用いて、年間10個程度のDOMについて4πスキャンすると共に、絶対較正も行い、「基準」DOMを作成する予定である。これらの測定結果はデータライブラリー化され、IceCubeデータ解析に使用される。 一方、これらの測定結果の信頼性を上げるために、シミューレーションによってデータを再現する試みを行った。Geant4ベースでDOM応答のシミュレータを開発した。測定データとは30%程度以内では揃っているが、今後改良の必要がある。この手法が確立されれば「基準」DOM以外のDOMについて平均的な振る舞いを予測することが可能になる。
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