研究課題/領域番号 |
15740148
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
川崎 健夫 新潟大学, 理学部, 助手 (00323999)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
2004年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2003年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 半導体検出器 / 超精密配線 / 素粒子実験 / 加速器 |
研究概要 |
次世代の高輝度衝突型加速器を用いた実験において、少ない物質量で精密な位置の再構成を行うことが要求されるため、細密な半導体検出器の読み出しを行う回路配線基板の開発・製作を行った。現在までの最も細密な配線は50ミクロン間隔程度のものであるが、将来的には、25ミクロン程度の配線密度が必要とされる。まず現行のエッチング技術により37ミクロンピッチのフレキシブル配線基板の製作を行った。そのため、精密な配線基板製作技術を有する企業と共同して、設計や製作過程の見直しから開始した。 研究開始の早い段階から、精密な配線の実現には、その設計の最適化が非常に重要であることがわかった。つまり、エッチングによって配線基盤を製作する場合、配線の太い部分と細い部分が近在すると、配線を構成する銅の溶ける量が違いすぎるため、そのコントロールが非常に困難になる。そのため、配線の太さではなく、銅を取り除く部分の幅が一様になるように設計を見直した。その結果、配線のショートや切れなどが大幅に減った。また、製作の過程を見直し、ほこりなどの不純物が材料に付着することをさけることにより、最終的に96%程度の歩留まりでの製作が可能になった。 試作された配線基板は、電気的にも性能が測定された。1本の配線の抵抗値は10オーム程度、隣り合った配線間の容量は1.4pF程度と非常に良い性能を示した。試作品のなかでもクオリティの良いものは、実際の試作された半導体検出器の読み出しに使用されている。 この成果は、平成16年9月にイタリアで行われた、崩壊点検出器に関する国際会議において発表された。また、その内容を論文にまとめ、学術雑誌(Nuclear Instruments and Methods)に投稿した。 雑誌編集者と内容に関する討議を行っており、来年度初頭には掲載される見込みである。
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