研究概要 |
H16度までのEu^<2+>高濃度添加カルシウムチオガレート(CaGa_2S_4)の光学利得についての実験を行っていたが,実験に用いていた長岡高専のレーザー設備が中越大震災により被災(H18年度復旧見込)したため,H17年度は復旧後の実験再開までの準備として,ストロンチウムチオガレート(SrGa_2S_4)についてもEu^<2+>を高濃度に添加したものを用意し,発光量子効率など基礎的な評価を行った,この系はCaGa_2S_4系に比べ発光波長が短く,色純度のいい緑色発光を示すため,ディスプレイ用の蛍光体材料として注目を集めている材料であるが,このSrGa_2S_4系において,Eu^<2+>を10at.%,20at.%添加したものの発光量子効率は33%,28%であり,CaGa_2S_4系の32%,27%に比べほとんど変わらないことを明らかにした.20at.%Eu^<2+>添加CaGa_2S_4においてH16年度に光学利得の存在を実験的に観測しているため,Eu^<2+>高濃度添加SrGa_2S_4においても光学利得の存在が予想され,緑色領域におけるレーザー材料として有望であると考えられる.H18年度以降,これらの系およびアルカリイオン同時添加による電荷補償効果を用いた高濃度Ce^<3+>添加系(青〜緑領域)も合わせて,当初予定していた光強励起によるレーザー実験を継続していく予定である.
|