研究課題/領域番号 |
15740180
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物性Ⅰ
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研究機関 | 名古屋工業大学 (2004) 名古屋大学 (2003) |
研究代表者 |
濱中 泰 名古屋工業大学, 工学研究科, 助教授 (20280703)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2003年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
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キーワード | J会合体 / メロシアニン色素 / LB膜 / 固溶状態 / スペクトル解析 / 光吸収スペクトル / ラングミュア・ブロジェット法 / 顕微発光像 |
研究概要 |
今年度は昨年度に引き続き、J会合体を形成する6Me-DS色素と単体ではJ会合体を形成しないメロシアニン誘導体のDO色素を対象として、混合系におけるJ会合体の構造と相の安定性を明らかにすることを目的とし、研究を実施した。6Me-DS色素とDO色素の混合LB膜([6Me-DS]_<1-x>[DO]_x)を作製し、吸収・発光スペクトルの測定により、J会合体を構成する分子の配列構造や光学特性を調べた。 0≦x≦0.8の吸収スペクトルにはJ会合体に起因するJバンドが観測されたが、0.9≦x≦1.0では観測されなかった。これは0≦x≦0.8ではJ会合体が形成されるが、0.9≦x≦1.0ではJ会合体が形成されないことを示している。吸収スペクトルをスペクトル分解し、各組成xでのJバンドとモノマーバンドのスペクトルウェイトを求めた。スペクトルウェイトは吸収を与える分子数に比例するので、J会合体を形成している分子数とモノマーの分子数の組成依存性を調べることができる。解析の結果得られた結論を以下にまとめる。 1)0≦x≦0.3では6Me-DSのJ会合体とDOのモノマーは相分離する。 2)0.4≦x≦0.8では一部のDO分子と6Me-DS分子が固溶してJ会合体を形成する。 2)の結果は発光スペクトルの解析からも確認することができた。J会合体の発光帯の積分強度は0.4≦x≦0.8において6Me-DS色素の分子数に比例する値よりも大きくなった。これはDO分子が6Me-DS分子と固溶してJ会合体を形成することに対応している。また、0.6≦x≦0.7では発光の量子効率が6Me-DSだけのJ会合体と比較して増大することがわかった。 レーザー走査顕微鏡を用いて発光像を測定し、J会合体のドメイン構造を調べた。固溶領域でドメインサイズが増大し、分子配列が安定化することがわかった。
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