研究課題/領域番号 |
15740205
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物性Ⅱ
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
井澤 公一 東京大学, 物性研究所, 助手 (90302637)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2004年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2003年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
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キーワード | 異方的超伝導 / 超伝導対称性 / 重い電子系 / 熱伝導率 / 比熱 / 異方超伝導 |
研究概要 |
異方的超伝導体の超伝導対称性を調べるため比熱および熱伝導率をプローブとして、それらの物理量の磁場方向依存性の測定を行った。特に最近注目されている圧力誘起超伝導体の対称性を決めるため圧力下の測定を試みた。その結果、圧力下の測定では超伝導ギャップ構造の詳細を調べるのに十分な分解能を得るのが難しくさらに測定分解能を上げるための工夫が必要であることが明らかとなった。 その一方でそれとは平行に、最近発見され特に注目されている反転対称性の破れた重い電子系超伝導体CePt_3Siの常圧下の熱伝導率測定を行い、超伝導ギャップ構造を調べた。40mKまでの熱伝導率測定により(i)温度のべき乗則、(ii)ユニバーサル熱伝導率、(iii)磁場依存性がH^<1/2>に比例すること、(iv)スケーリング則を確認した。これらの4つの条件を満たしているということは、CePt_3Siのギャップ関数にラインノードが存在することの極めて強い証拠となる。このように4つの条件を矛盾なく確認した例は本研究がはじめてである。またこの結果は、これまでのNMRおよび理論の結果から議論されているポイントノードとは大きく異なる結果であり、反転対称性が破れた非常に特殊な環境下における超伝導状態を考える上で非常に重要な情報を与えることができると考えられる。 また圧力下の実験としてCeCoIn_5のホール係数の温度依存性の詳細を調べた。その結果低温でホール係数は30倍以上に増強されていることが分かった。この低温でのホール係数の増加は圧力とともに抑制され高圧でLaCoIn_5の値に近づいていくことが明らかとなった。圧力により系を量子臨界点近傍からフェルミ液体状態に変化させることができることを考えると、これらの結果から、常圧でみられるホール係数の増大は量子臨界点近傍特有の振る舞いであると考えられる。本研究により量子臨界性と輸送係数の関係の理解に大きく貢献できると考えている。
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