研究課題/領域番号 |
15740216
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物性Ⅱ
|
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
東谷 誠二 広島大学, 総合科学部, 助手 (70304368)
|
研究期間 (年度) |
2003 – 2004
|
研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
|
配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2004年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2003年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
|
キーワード | 超流動 / フェルミ液体 / ヘリウム / エアロジェル / 不純物 / 音波 / 摩擦 / 粘性 / 第4音波 |
研究概要 |
昨年度に定式化した、二流体モデルに基づく現象論とケルディシュグリーン関数形式の微視的理論を用いて以下の研究を行った。 1.第四音波に対する不純物効果。 狭い隙間に閉じ込められた超流動ヘリウム3-エアロジェル系の音波を解析し、純粋なヘリウム3の場合とは異なるメカニズムで第四音波が伝搬することを示した。この研究結果を7月にイタリアで開かれた低温物理国際会議(QFS2004)で発表した。 2.エアロジェル中超流動ヘリウム3における超音波吸収実験の解析。 超流動相がBalian-Werthamer状態にあることを仮定し、理論モデルに含まれるパラメータを適切に選ぶことによって、常流動相から超流動相までの全温度領域で実験結果を再現することに成功した。この研究は11月に東京で開かれた国際会議(ISSP-9)の招待講演に選ばれた。 3.超流動秩序変数の集団励起に対する不純物効果。 純粋な超流動ヘリウム3では、squashing modeと呼ばれる秩序変数の集団励起が超音波吸収ピークとして明瞭に観測されるが、エアロジュル中では観測されないことがNorthwestern大学の実験グループによって報告された。その原因として、不純物散乱による準粒子状態密度の構造変化が考えられることを本研究で示した。この研究結果は2005年8月にフロリダで開かれる低温物理国際会議(LT24)で発表する予定である。 上記の研究と平行して超流動ヘリウム3の音響インピーダンスの理論的研究を行った。従来の理論では考慮されていなかった、表面散乱による対破壊効果を定量的に評価することによって、実験とのよい一致が得られることを示した。超流動ヘリウム3のA相とB相での音響インピーダンスの数値計算結果を、それぞれ、QFS2004とISSP-9で報告した。
|