研究課題/領域番号 |
15740220
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物性Ⅱ
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研究機関 | 首都大学東京 |
研究代表者 |
松田 和之 首都大学東京, 都市教養学部理工学系, 助手 (60347268)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2005年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2004年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2003年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | カーボンナノチューブ / 核磁気共鳴 / 水分子 / 吸着 / 液体固体相転移 / 液体固体転移 |
研究概要 |
単層カーボンナノチューブ(SWNT)内部に吸着された水分子のダイナミクスを核磁気共鳴(NMR)およびX線回折により調べる研究を行った。実験はレーザ蒸発法により作製された平均直径14.5Åの高品質SWNT試料を用いて行い、X線回折実験により内部に吸蔵された水が7員環と8員環のアイスナノチューブ(Ice-NT)を形成することを確認した。NMRは、SWNTに重水(^2H_2O)または軽水(^1H_2O)を吸着させ、それぞれの場合について水分子の^1H核と^2H核のNMRスペクトルの測定を行った。さらに、Ice-NT内部空間へのメタンCH_4分子の吸蔵についてもH_2O, CH_4分子の^1H NMRにより調べた。 Ice-NTの形成温度以上では、水分子の運動により先鋭化された^1H,^2H NMR共鳴線を観測した。この結果は、水分子はNMRの時間スケール〜10μsecに比較し短い相関時間をもつ回転・併進運動を行っていて、Ice-NT転移より高温側では水は液体状態にあることを示している。一方、7員環Ice-NT転移以下の^1H核のNMR測定では、液体状態の水からの鋭い共鳴線(半値全幅〜10kHz)と、ブロードな共鳴線(半値全幅〜56kHz)の2成分の共鳴線の重ね合わせのスペクトルが観測され、降温とともにブロードな共鳴線の強度が増大することが明らかになった。このブロードな共鳴線の線幅はIce-NT構造から計算される^1H NMR共鳴線幅51kHzに近い。この結果から、Ice-NT形成に伴い水分子の運動が凍結したことを示しており、Ice-NT相転移が液体-固体相転移であることを示している。 また、メタンガス雰囲気で水を吸蔵したSWNTのメタン、水分子の^1H NMR測定により、メタン分子が低温で水を吸蔵したSWNT内部に侵入し、同時に水分子の運動が急激に凍結することを明らかにした。この結果はSWNT内部でのメタンガスハイドレート形成を示唆している。
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