研究課題/領域番号 |
15740244
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
数理物理・物性基礎
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
牧野 浩典 東海大学, 電子情報学部, 助教授 (40338786)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2005年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2004年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2003年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 量子カオス / エネルギー準位統計 / 微小光共振器 / 準位統計 |
研究概要 |
量子系のエネルギー準位統計についての研究 平成15・16年度の研究では、準位間隔分布に代表されるような短距離スペクトル分布関数の研究を進め、可積分量子系に対する準位統計の新しい公式を考案、量子系が示す新しい統計則の可能性を議論することに成功した。また、理論の適用範囲をスペクトル硬度などの長距離スペクトル相関関数にまで拡げ、新しい公式を考案、前年度の研究内容とは全く別のアプローチ法により長距離スペクトル統計にも新しい統計則が生じる可能性を示唆することに成功した。 今年度は、上述の公式群がポアソン統計から外れる事例を示すと共に、前年度までの理論を近可積分量子系に拡げる研究にも取り組んだ。種々の力学系に対して数値実験を行い、スペクトル硬度や2点相関関数において我々が考案した公式群との整合性を明らかにした。さらに、理論の適用範囲を近可積分量子系に拡張した。近可積分量子系に対する統計分布関数としてはSeligmanとVerbaarschotが考案した公式が有名であるが、我々はこの公式に対する発展型公式を考案し、量子系の準位統計がSeligman-Verbaarschotの公式で説明できる場合や、この公式から外れる理論的な条件を明らかにした。 微小光共振器に対する実験研究 Nd:YVO4結晶を用いた微小光共振器に対する実験において、発振光の不安定性とランダムな発振パターンを観測した。これらの実験結果の発生メカニズムを、ビリアード力学系を用いた数理モデル上の議論と、光線軌道に対する線形安定性解析により理論的に明らかにすることに成功した。 今後は共振器を構成している結晶に人為的な周期凸凹構造を施した上で実験を行い、光線軌道の位相空間が持つトーラス・カオス共存構造を考慮に入れた発振パターンの解析を行うことにより、理論的な裏づけに対する核心に迫る予定である。
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