研究課題/領域番号 |
15740251
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
原子・分子・量子エレクトロニクス・プラズマ
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
青木 隆朗 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (10343146)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2004年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2003年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 量子情報 / 量子エンタングルメント / 直交位相成分スクイーズド光 |
研究概要 |
前年度において生成に成功した連続量3者間量子エンタングルメントを用いて、3者間の量子テレポーテーション・ネットワークを構築した。連続量3者間量子エンタングルメントをアリス、ボブ、クレアの3者に分配し、この3者の間で任意の送信者・受信者の組み合わせにおいて量子テレポーテーションに成功すれば、3者間の量子テレポーテーション・ネットワークの構築に成功したといえる。ただし、2者間の量子テレポーテーションの場合と異なり、送受信に関わらない残りの1者も3者間量子エンタングルメントを共有しているため、他の2者の間の量子テレポーテーションが成功するためにはこの1者もエンタングルメントの測定を行い、その結果を受信者に伝達する必要がある。例としてアリスが送信者、ボブが受信者の場合、アリスは送信状態であるコヒーレント状態を自分の量子エンタングルメントビームとビームスプリッターを用いて合波し、その出力をそれぞれ直交した位相成分x、pについてホモダイン測定する。クレアは自分の量子エンタングルメントビームのみをp成分についてホモダイン測定する。ボブはこれらの結果をそれぞれ受け取り、自分の量子エンタングルメントビームに変位操作を行うことで、送信状態を再現する。クレアからボブへの情報伝達路のゲインを0から1の間で変化させると、ゲインが約0.1以下では再現された状態のフィデリティは古典限界を下回り、約0.1以上では古典限界を上回った。これは3者間量子エンタングルメントを用いて初めて可能な量子操作である。ゲインが約0.9の時に最大のフィデリティ0.63を得た。このような実験を他の2つの組み合わせについても行い、同様の結果を得た。これにより、初めて3者間の量子テレポーテーションに成功した。
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