研究課題/領域番号 |
15740265
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物物理・化学物理
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研究機関 | 東京大学 (2004) 特殊法人日本原子力研究所 (2003) |
研究代表者 |
城地 保昌 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助手 (30360415)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2004年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2003年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 蛋白質 / 中性子散乱 / 分子シミュレーション / 立体構造ダイナミクス / ボゾンピーク / 中性子散乱実験 |
研究概要 |
蛋白質が担う生命現象の素過程を物理化学的に理解するには、機能発現と密接に関わる蛋白質の立体構造ダイナミクスを原子レベルで研究することが不可欠である。そのための研究手段としては分子シミュレーションと中性子散乱が有効である。本研究課題は、分子シミュレーションを利用して蛋白質の中性子散乱実験の可能性を探ることが目的であった。 蛋白質の立体構造ダイナミクスはその複雑なエネルギー地形によって生み出される。平成16年度は分子シミュレーションを用いて、蛋白質のエネルギー地形と中性子非弾性散乱で観測される蛋白質ボゾンピークとの関係を明らかにした。ボゾンピークは、約200K以下の低温で測定されたガラス様物質の中性子非弾性散乱スペクトルに観測される約25cm^<-1>付近のブロードなピークであるが、その起源は長年謎であった。分子シミュレーションを用いるとその結果から中性子散乱スペクトルが直接計算できる。本研究では、ニワトリ卵白リゾチーム蛋白質を用いて、基準振動解析、ランジュバンモード解析、分子動力学計算(水中、真空)の4種類の分子シミュレーションを100K-300Kのさまざまな温度で行い、その結果を用いて中性子非干渉性非弾性散乱スペクトルを計算した。計算されたスペクトルを比較すると、水中の分子動力学計算(<200K)の結果からのみ約25cm^<-1>付近にブロードなピークが観測された。詳細な解析の結果、水和することのよって出現する蛋白質エネルギー曲面上の微細構造が、蛋白質のボゾンピークと密接に関わることが明らかになった。 また平成16年度後半にはこれまでの解析結果をふまえて、日本原子力研究所と協力し、高エネルギー加速器研究機構において蛋白質の非弾性散乱実験を開始した。実験結果と分子シミュレーション(本研究課題)の結果を相補的に解釈することで、機能と関わる蛋白質の立体構造ダイナミクスの解明が促進されると期待できる。
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