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オリゴシランの物性制御を目指したケイ素主鎖の立体配座制御方法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 15750032
研究種目

若手研究(B)

配分区分補助金
研究分野 有機化学
研究機関京都大学

研究代表者

辻 勇人  京都大学, 化学研究所, 助手 (20346050)

研究期間 (年度) 2003 – 2004
研究課題ステータス 完了 (2004年度)
配分額 *注記
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2004年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2003年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
キーワードオリゴシラン / 立体配座制御 / 光物性 / 双環構造 / トリシラン / UV吸収 / σ共役 / ポリシラン / 立体配座 / UV吸収・MCD / 有機ケイ素化合物
研究概要

双環構造を有するトリシランユニットを構成単位として用いて,立体配座がオールアンチに制御されたペンタシラン(aa-Si_5),オクタシラン(aa-Si_8)をモデル化合物として合成し,それらの構造解析ならびに物性測定をおこなった。X線結晶構造解析により,得られたオリゴシラン類におけるケイ素主鎖中のSiSiSiSi二面角は全てほぼ180°であることを確認し,当初の予測通り本ユニットが主鎖を完全オールアンチ配座に制御するためにきわめて有用であることを確認した。また,溶液中でのUV吸収測定の結果,ペンタシランaa-Si_5は吸収極大λ_<max>=253nm(ε40,000)と,立体配座が制御されていないペルアルキルペンタシラン(n-Si_5Me_<12>,λ_<max>=250nm,ε20,000)に比べて極大波長はほとんどかわらないものの,吸光係数がほぼ倍増していた。また,オクタシランaa-Si_8は吸収極大λ_<max>=288nm(ε85,000)と,ペルアルキルオクタシラン(n-Si_8Me_<18>,λ_<max>=273nm,ε30,000)に比べて長波長かつ強い吸収を示した。さらに,温度可変UV吸収スペクトルを測定した結果,オクタシランaa-Si_8の極大吸収波長はほとんど変化しないものの,吸光係数εが200,000と,大幅に増大することも明らかとなった。MCD(磁気円二色性)スペクトル測定結果を併せると,ペンタシランaa-Si_5は構造が強固にオールアンチに固定されているのに対し,オクタシランaa-Si_8では室温溶液中では多少の立体配座の乱れがあるものの,やはり主鎖がオールアンチ構造のものが大多数を占めていることが明らかとなった。
以上のように本研究では,オリゴシランの立体配座をσ共役の拡張に有利な完全オールアンチ配座に制御する方法の開発に成功した。

報告書

(2件)
  • 2004 実績報告書
  • 2003 実績報告書
  • 研究成果

    (9件)

すべて 2005 2004 その他

すべて 雑誌論文 (3件) 図書 (1件) 文献書誌 (5件)

  • [雑誌論文] Conformation Dependence of Photophysical Properties of σ-π Conjugation as Demonstrated by cis- and trans-1.2-Diaryl-1.2-disilacyclohexane Cyclic Systems2005

    • 著者名/発表者名
      Tsuji, H., Shibano, Y., Takahashi, T., Kumada, M., Tamao, K.
    • 雑誌名

      Bull.Chem Soc.Jpn. (発表予定)

    • 関連する報告書
      2004 実績報告書
  • [雑誌論文] UV Absorption and mass Spectra of n-Alkylsilyl End-Capped anti,cisoid-Alternating Oligosilanes up to Docosasilane (Si_<22>)2004

    • 著者名/発表者名
      Mallesha, H., Tsuji, H., Tamao, K.
    • 雑誌名

      Organometallics 23・7

      ページ: 1639-1642

    • 関連する報告書
      2004 実績報告書
  • [雑誌論文] All-anti Pentasilane : Conformation Control of Oligosilanes Based on Bis(tetramethvlene)-tethered Trisilane Unit2004

    • 著者名/発表者名
      Tsuji, H., Fukazawa, A., Yamaguchi, S., Toshimitsu, A., Tamao, K.
    • 雑誌名

      Organometallics 23・14

      ページ: 3375-3377

    • 関連する報告書
      2004 実績報告書
  • [図書] 「21世紀のケイ素化学-機能性物質科学の宝庫-」第2章オリゴシラン・ポリシラン,第1部2004

    • 著者名/発表者名
      辻勇人, 玉尾皓平
    • 総ページ数
      6
    • 出版者
      シーエムシー出版
    • 関連する報告書
      2004 実績報告書
  • [文献書誌] Mallesha, H., Tsuji, H., Tamao, K.: "UV Absorption and mass Spectra of n-Alkylsilyl End-Capped anti, cisoid-Alternating Oligosilanes up to Docosasilane (Si_<22>)"Organometallics. (掲載決定). (2004)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] Tsuji, H., Michl, J., Tamao, K.: "Recent Experimental and Theoretical Aspects of the Conformational Dependence of UV Absorption of Short Chain Peralkylated Oligosilanes"J.Organomet.Chem.. 685・1-2. 9-14 (2003)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] Seki, S., Tagawa, S., Tsuji, H., Tamao, K.他, 計7名: "Transient absorption spectroscopy of radical ions of rigid anti- and syn-tetrasilane"Phys.Chem.Lett.. 380・1-2. 141-145 (2003)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] Tsuji, H., Terada, M., Toshimitsu, A., Tamao, K.: "σ-σ^* Transition in anti, cisoid Alternating Oligosilanes : Clear-Cut Evidence for Suppression of Conjugation Effect by a cisoid Turn"J.Am.Chem.Soc.. 125・25. 7486-7487 (2003)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] Casher, D.L., Tsuji, H., Tamao, K., Michl J.他, 計11名: "The Disilane Chromophore : Photoelectron and Electronic Spectra of Hexaalkyldisilanes and 1,(n+2)-Disila[n.n.n]propellanes"J.Phys.Chem.A. 107・18. 3559-3566 (2003)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書

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公開日: 2003-04-01   更新日: 2016-04-21  

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