研究課題/領域番号 |
15750048
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
無機化学
|
研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
塩塚 理仁 名古屋工業大学, 工学研究科, 助手 (70293743)
|
研究期間 (年度) |
2003 – 2004
|
研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
|
配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2004年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2003年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
|
キーワード | 超分子細線 / 光スイッチ / 光電子移動 / りん光発光 / ルテニウム(II)錯体 / 金(I)錯体 / レニウム(I)錯体 / 有機金属錯体 |
研究概要 |
研究代表者は、これまでの研究によって、ルテニウム(II)-金(I)複合金属錯体Au-Ru-Au及びRu-Au-Ru 3核錯体の光物性と電気化学特性から光スイッチ導電性分子細線としての機能を有する可能性を示唆した。又、金(I)有機金属錯体Au-Phen-Au及びPhen-Au-Phenの光物性からルテニウム(II)-金(I)複合錯体における考察において仮定にすぎなかった金(I)錯体ユニットからルテニウム錯体ユニットへのエネルギー移動過程を支持する明確な証拠を示すことができた。更に、ルテニウム錯体ユニットの分子構造がこのシステムに与える影響について、非対称型ルテニウム(II)-金(I)複合金属錯体3,5-Au-Ru-Auの光物性からルテニウム錯体ユニットの直線構造が超分子細線としての電子的な相互作用発現において重要であることを明らかにした。 本年度は、H-Ru-Au-Ru-H3核超分子錯体及び更なる多核超分子錯体の合成を行った。目的の超分子錯体合成は、その選択的合成法と精製法の確立が最も重要且つ困難な問題であった。そこで、高選択的合成の条件検討をESI-MASS測定及び紫外可視吸収スペクトル測定等を用いて行い、3核や5核錯体が比較的多く合成できる条件や非常に多核化された超分子を選択的に合成する条件を発見した。今回我々が合成したような複合錯体系超分子は、ポルフィリン系超分子を除いて、現在まで報告されておらず、その合成例だけでも非常に意義深い。そして、GPCカラムクロマトグラフィー法による精製に関しても現在いくつかの知見を得ている。また、ルテニウム(II)-金(I)複合錯体の光物性測定の結果より、超分子光誘起電子移動の可能性を示す結果が得られつつある。 更に、レニウム(I)-金(I)複合有機金属錯体の合成にも成功し、その光物性に関しても大変興味深い結果を得られると共に先に示したルテニウム(II)-金(I)複合金属錯体の光エネルギー移動過程の妥当性を支持する結果が得られた。
|