研究課題/領域番号 |
15750077
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
合成化学
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
松岡 浩司 埼玉大学, 工学部, 助教授 (40272281)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2004年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2003年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | ベロ毒素 / 阻害剤 / 中和剤 / 糖鎖クラスター / グロボ3糖 / Glycocluster / Globotriasoe / Verotoxin / Globotriaose |
研究概要 |
Vero毒素産生性大腸菌(Verotoxin-producing Escherichia coli ; VTEC)が産生するベロ毒素(VT)は、毒性を発揮するAサブユニットと細胞に接着する5つのBサブユニットから構成されるAB_5型の毒素である。さらに、糖鎖結合部位は、Bサブユニット1個あたり3箇所存在するため、全体で15箇所存在することも知られている。この多価の結合部位を有するVTsは、まずBサブユニットが、宿主細胞表層に存在するグロボトリオシルセラミド(Gb3)を特異的に認識、結合後、エンドサイトーシスによりAサブユニットがその細胞に侵入し、細胞の蛋白質合成を阻害する。すなわち、この感染初期段階となる毒素と宿主細胞との結合を、阻害あるいは中和することが可能となれば、感染やさらなる伝染の進行を未然に防ぐことができると考えられる。これまでに我々は、この過程を効果的に阻害する化合物群の合成を目的として、カルボシランデンドリマーの合成と活性評価に関する基礎的研究を行い、多価型化合物の有効性を確認してきた。その化合物群は、合成世代により分子量と表層官能基数が厳密に制御できるため、グロボ3糖構造(Galα1-4Ga1β1-4Glcβ1-)を規則的に被覆することが可能であった。また、これらは2種類のベロ毒素双方に対して、化合物群の合成世代や形状に応じた興味深い活性を示した。そこで、本研究では、その方法論を発展させ、以下の目的の達成を目指した。 ・生分解性が期待できる糖アルコール型の多価コア分子を合成し、その表層上におけるグロボ3糖間の距離やコア分子に起因するトポロジーの制御を検討した。 ・脂溶性部位を導入した糖脂質モデルとして、新規な糖脂質型糖鎖クラスターの合成に展開を試みた。 ・この方法論を種々のAB_5型の毒素群に幅広く展開することにより、効率的な毒素中和剤あるいは阻害剤の開発の可能性を検討した。
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