研究課題/領域番号 |
15750084
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
合成化学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
中尾 佳亮 京都大学, 工学研究科, 助手 (60346088)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2004年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2003年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | パラジウム / イミノホスフィン / エンイン / ジイン / 環化付加反応 / Alcyopterocin N / スタニル化 / 環化反応 / 共役エンイン |
研究概要 |
医薬品や天然物などの生理活性物質から、共役系高分子、液晶などの機能性有機材料に至るまであらゆる分子の機能発現に必須の構成単位である多置換芳香族化合物の新しい効率的合成法として、本研究ではメタル化を伴う不飽和化合物の環化付加反応の開発を目的とした。まず共役エンイン化合物のスタニル化を伴う環化二量化反応による多置換フェニルスズ化合物の合成を検討した。目的の反応を触媒するさまざまな遷移金属錯体、配位子の組み合わせを検討した結果、(η^3-allyl)PdCpとイミノホスフィン配位子から調製した触媒存在下、種々の共役エンインとヘキサブチルジスタノキサンを反応させると、エンインの環化二量化反応がスタニル化を伴って位置選択的に進行し、多置換フェニルスズ化合物が収率良く得られることを見つけた。反応はカルボニルやシアノ、シロキシ、アルケニル、アルキニル基などの官能基を有する共役エンインでも、これらを損ねることなく官能基選択的に進行することが分かった。1-ペンテン-3-インのスタニル化環化反応によって得られた2,5-ジメチル-3-トリブチルスタニルスチレンを鍵中間体として、海洋天然物Alcyopterocin Nの全合成に世界で初めて成功した。また置換基の電子的性質の異なる二種類のエンイン同士、あるいはエンインと共役ジインとの交差スタニル化環化付加反応が位置選択的に進行することも分かった。以上のように、本研究では共役エンインやジインとスタノキサンをパラジウム-イミノホスフィン触媒存在下反応させることにより、さまざまな置換基を有する多置換フェニルスズを位置選択的に簡便合成できることを明らかにした。
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