研究課題/領域番号 |
15750089
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
合成化学
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
安田 誠 大阪大学, 大学院・工学研究科, 講師 (40273601)
|
研究期間 (年度) |
2003 – 2004
|
研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
|
配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2004年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2003年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
|
キーワード | スズエノラート / インジウム / ケイ素 / 還元 / 塩素化 / アルコール / マイケル付加 / 立体選択的 / 脱ヒドロキシ / アリルシラン / 直接置換 / アルキニルシラン / 選択的反応 / 触媒 |
研究概要 |
1.アルコールの中性条件直接塩素化反応 クロロジメチルシランを還元剤として用い、塩化インジウム触媒存在下、ベンジルを添加物として用いると、アルコールが直接塩素化物に変換されることを見いだした。このとき、定量的に水素ガスの発生が認められた。これは、中性条件で三級アルコールを選択的に塩素化する初めての例となった。添加物のベンジルは反応後回収することができるため、実質的に触媒的塩素化を達成したことになる。インジウムとケイ素の複合的な作用が、通常不活性であるアルコールのC-O結合を切断することに寄与したと考えられる。 2.ケトンエノラートの不飽和エステルへのマイケル付加反応 ケトンエノラートの不飽和エステルへのマイケル付加反応は熱力学的に不利なため、一旦単離した金属エノラートを等モルの添加剤を用いて行うことが一般的であった。本研究において、ワンポット法による反応の進行に成功した。親ケトンに塩基(BuLi)を入れトリブチルスズブロミドを加えると、臭素アニオンが配位した高配位化スズエノラートが発生した。これは容易に不飽和エステルにマイケル付加し、δ-ジカルボニル化合物を高収率で与えた。スズとリチウム塩の複合金属系が本反応の進行に大きく寄与した。 3.インジウムを基軸とす還元カップリングを利用した立体選択的三級アルコール合成 金属インジウムを還元剤とし、活性ハライドとカルボニル化合物の還元的カップリング反応に成功した。特に、ケトンを基質として用いる反応に焦点を当て、立体選択的な三級アルコールの合成法を確立した。これまでアルデヒドを基質とした二級アルコール合成の研究は多くなされていたが、低反応性のためケトンを基質として用いることは困難であった。還元剤としてのゼロ価インジウムと、ルイス酸としての高酸化状態インジウムの複合的な効果により、高収率、高選択的な反応を達成した。
|